イソップ初、互いに作用し合うフレグランス3型同時発売!

  • 文:高橋一史
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21年7月5日(月)に発売されるイソップの新作オードパルファム3部作、「アザートピアス」。左から「ミラセッティ」「カースト」「エレミア」のスプレー。50mL 各¥21,450(税込)

香りは精神をリラックスさせ、ポジティブな気持ちにさせてくれる。部屋に花や植物を置くように、外出時には香りをプラスする生活がこれからのスタンダードになっていくだろう。マスクで顔が覆われていても、愛用する香りが自身の存在を相手に伝える。ワインの熟成、コーヒーの苦味、香水の洗練。香りのフィールドは果てしなく広い。

森や川辺に佇むかのごとき自然体のスキンケア用品が絶大な人気を誇るイソップもいま、心のケアにつながるフレグランスに力を入れはじめた。21年7月に新作を同時に3型も投入する。イソップ通にはよく知られたことだが、これまで同ブランドのフレグランスはとても寡黙だった。05年に初の「マラケッシュ」を誕生させてから、20年の「ローズ」までわずか4型しかラインアップしてこなかった。ただしそのすべてに息づくのが、イソップのアイデンティティであるジェンダーレスな概念。性を強調しない静かで知的な香りには、そこに辿り着くまでに長い日数が必要だったことを納得させるオリジナリティがあった。

新作のオード・パルファム「アザートピアス」(Othertopias=此処ではないどこか)3型は、その名が通しタイトルのいわば3部作映画のようなもの。船で旅立ち海岸につき、文明が荒廃した地に立つストーリーが思い描かれている。船は「ミラセッティ」、海岸は「カースト」、荒廃の地は「エレミア」として単体で展開。調香を手掛けたのは、日本のヒノキにインスパイアされた17年の「ヒュイル」と同じ人物、バーナベ・フィリオンだ。

詳しいストーリーは記事最後にリンクを貼ったイソップの公式サイトでご覧いただくとして(※記事作成時では情報未掲載)、ここでは香りの印象をお伝えしよう。ミラセッティは、ウッディで苦味もある重厚さ。カーストは、柑橘系のフレッシュさとスモーキーさが混じる。エレミアは、植物の葉や果物が漂いすっきり。人によって感じ方は異なるだろうが、確かなのは過去作と比べて香りがより複雑なレイヤーになっていること。配合成分もこれまでになく多様だ。それでもアザートピアスはイソップの世界観をしっかりと語り継ぐ製品である。同ブランドのボディソープ、ボディバーム、ハンドクリームらで肌ケアしたあとにつける香りとしてのバランスのよさも巧みだ。

計7型のラインアップになり選択肢が増え、よりパーソナルになったイソップのフレグランス。新作の登場により、シンプルに軽やかな過去作の魅力を改めて見直す人もいるだろう。自身の心にフィットするものを身につけ、まだ先が見えない未来へと歩みを進めよう。

ガラスボトルを収める紙ボックス。製品の販売はイソップ直営店、百貨店カウンター、公式オンラインストアにて。

イタリアのアーティスト、ダビデ・クアヨラの手によるアザートピアスのイメージ。この海のビジュアルは、ミラセッティの調香の世界。

海岸の風景は、カーストのイメージ。ジェームズ・ジョイスの長編小説「ユリシーズ」に登場するアイルランドの海岸も思い描かれた調香だ。

文明が荒廃したあとに広がる森のイメージは、エレミアの調香イメージのひとつ。

問い合わせ先/イソップ ジャパン
TEL:03-6271-5605
www.aesop.com/jp/