エチオピアからイエメン、オスマン帝国から欧州に伝播し、アメリカで大衆化したといわれるコーヒー。国ごとのコーヒー文化を、旅する気分で東京の店にて満喫しよう。
1. フィンランド
カイ・フランクのマグで、北欧流ブレイクタイム
世界初、イッタラのストアに併設するカフェ。カイ・フランクのマグで楽しめるコーヒーは、フィンランド人好みのバランスの取れた味わい。カルダモン風味のパンにイチゴジャムと生クリームを詰めた伝統菓子「ラスキアイスプッラ」と合わせて。
イッタラ表参道ストア&カフェ
東京都渋谷区神宮前5-46-7 GEMS青山クロス1F
TEL:03-5774-0052
営業時間:11時〜19時30分L.O.(フードは19時L.O.)
定休日:施設に準じる
www.iittala.jp/shop/fragship_cafe.php
2. オーストリア
老舗で飲むべきは、アレンジコーヒー各種
1873年の創業以来、ウィーンで最もエレガントとされるカフェの海外1号店。ホイップクリームやリキュールを使ったウィーン風のアレンジコーヒーが30種類以上揃う。オレンジリキュール入りの「マリアテレジア」や、甘さ控えめの「ザッハトルテ」が人気。
カフェラントマン青山店
東京都港区北青山3-11-7 AOビル4F
TEL:03-3498-2061
営業時間:11時〜23時(月〜土)11時〜22時(日、祝)
定休日:施設に準じる
www.giraud.co.jp/landtmann
3. イタリア
18世紀から続く、ほろ苦いトリノ名物
いち押しはトリノ名物の「ビチェリン」。エスプレッソとホットチョコレート、冷たい生クリームの層があり、混ぜずに飲むとエスプレッソがクリームを通過し、ほどよい温度に。秘伝の酵母で発酵させる「パネットーネ」のフレーバーは季節替わり。
ビチェリン ギンザ シックス
東京都中央区銀座6-10-1 ギンザシックス B2
TEL:03-6280-6088
営業時間:10時30分〜20時L.O.
定休日:施設に準じる
http://bicerin.co.jp
4. イエメン
産地で風味が異なる、イエメン産豆の多様性
注文のつど豆を挽いてハンドドリップするコーヒーは100%イエメン産。山間の段々畑で栽培された豆「ハラズ」はナッティな香ばしさとハーブのようなアロマ、ほのかな甘みが特徴。「デーツセット」など10種類以上揃う中東菓子との相性も抜群。
モカコーヒー
東京都渋谷区猿楽町25-1 エディ代官山1F
TEL:03-6427-8285
営業時間:14時~17時L.O.
定休日:月(ほか不定休あり)
www.mochacoffee.jp
5. タイ
北部の少数民族が栽培する、無農薬&手摘みコーヒー
タイ北部チェンマイから昨年、日本に上陸。コーヒーは、アカ族の村で無農薬栽培&手摘みされたもの。焙煎度の違う3種類があり、中煎りの「クランクラン」は酸味と苦みのバランスがよいタイプ。豆の購入も可。店名のアカはアカ族、アマはお母さんの意。
アカアマコーヒー ロースターズトーキョー
東京都新宿区赤城元町 1-25
TEL:03-6280-8755
営業時間:8時~19時
定休日:無休
https://akhaama.jp
6. インドネシア
現地のアラビカ種を、ていねいに挽いた1杯
ジャカルタの人気店が海外進出。本店同様、インドネシア各地の厳選したアラビカ種の豆を1杯ずつ挽いて淹れている。カフェラテをベースにした特製アイスコーヒー「アイスコピカリアン」はインドネシアのオーガニックパームシュガー入り。優しい甘さがクセになる。
コピカリアン東京店
東京都渋谷区神宮前 6-15-14
ガーデンスクエア原宿1F
TEL:03-6427-7044
営業時間:12時~19時
定休日:無休
www.kopikalyan.com/tokyo
7. オーストラリア
オーストラリア最東端発のオーガニックロースター
焙煎専門家が豪州産を中心に厳選したオーガニックコーヒーを提供する、焙煎所兼カフェ。2014年に開業した市ヶ谷店では4種類から豆を選べるスペシャルティコーヒーや、ミルクたっぷりなオセアニアスタイルのカフェラテ「フラットホワイト」が人気。豆の購入もできる。
バン コーヒー バイロン ベイ 市ヶ谷
東京都千代田区五番町4-2 東プレビル1F
TEL:03-3288-3008
営業時間:8時~18時(月〜金)10時〜18時(土)
定休日:日・祝
http://changingspacejp.com
〜世界のコーヒーの豆知識〜
ブラジル
ブラジルは世界最大の生産地。酸味やコクのバランスがとれたクセのない味わいが特徴だ。大航海時代に最初に移植されたコーヒーはティピカ種だが、18世紀前半にレユニオン島で発見されたティピカ種の突然変異種・ブルボン種も栽培されている。また、世界最大規模の単一農園であるイパネマ農園を擁する。
エチオピア
エチオピアはアラビカ種の原産国。アフリカ最高峰の豆が揃い、三大銘柄はイルガチェフ、シダモ、ハラー。17世紀にオランダの東インド会社がジャワ島やセイロンで栽培を始めたコーヒーは、エチオピア原産のアラビカ種だったという。その後、豆はジャワ島、オランダ経由でヨーロッパへと運ばれていった。
カリブ諸国
カリブ諸国でコーヒーの栽培が始まったのは18世紀前半。フランスがマルティニーク島を皮切りにグアドループやハイチなどの植民地でコーヒーの生産を行い、スペインはキューバで生産に着手した。1727年にはマルティニーク島を訪れたブラジルの官吏が種子を持ち帰り、南米大陸でコーヒー栽培が始まった。
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※この記事はPen 2021年7月号「コーヒーとグリーン、ときどきポッドキャスト」特集より再編集した記事です。