落合陽一が総合ディレクション! 身体の多様性を未来に放つ"ダイバーシティ・ファッションショー"を5月30日にオンラインで開催

  • 文:Pen編集部
Share:

ショーには身体障害や知的障害、妊婦や高齢者などライフステージによる身体の変化がある人など、さまざまな当事者がモデルに。日本を代表するファッションデザイナーや、多様な身体をテクノロジーで支える義足や車椅子のメーカーなどが制作に参加。

日本財団が主催する、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ芸術祭『True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭 -世界はいろいろだから面白い-』は、5月30日(日)13時より、落合陽一を総合ディレクターに迎えたオンライン・ファッションショーが開催する。「True Colors FASHION 身体の多様性を未来に放つダイバーシティ・ファッションショー」と題して、True Colors Festival YouTube公式チャンネルにて配信予定だ。

身体機能を拡張するテクノロジーやファッションを通じて、多様な身体像を考え表現するため、りゅうちぇる、乙武洋匡、難聴ダンサーGenGenやケンモチヒデフミなど、多彩なモデルとデザイナーが集結し、共同制作に挑戦。計11組が水面を演出したランウェイに登場し、事前収録による約15分間のショーを展開する。ショー後には、落合がそれぞれのプロジェクトの制作プロセスに迫るインタビュー映像も見どころのひとつ。

落合は、「自然に見られるような生物が持つ多様性の美を、さまざまな身体性の美に見立てて、今回ファッションショーを構成することにした。自然化するテクノロジーによって揺籃される身体の多様性とはなんなのか、参加者や聴衆の皆様とともに考えていきたいと思っています」とコメント。ダイバーシティー&インクルージョンの本質を改めて考える、話題必至のファッションショーとなるだろう。


【関連記事】

社会と対峙し創造する、世界の女性アーティスト16人

障がい者を支えるテクノロジーの進化と、サイボーグ化していく人類について、ITジャーナリスト林信行が考察する。

多様性あふれる参加クリエイターとプロジェクト

『りゅうちぇる x 妊婦体験ベルト x MIKAGE SHIN』
妊婦でもそうでない女性も、男性でも着ることができるワンピース。モードな雰囲気とユーザビリティを併せ持ち、エレガンスとマスキュリンが同居するパフスリーブのフォルムが魅力。生き方やファッションに対する姿勢で男性像や父親像をアップデートしてきたりゅうちぇるが、妊娠体験ベルトとこのワンピースを着て、新時代の人間像を体現する。

『Pippi x Ontenna x ANREALAGE』
環境によって変化が現れる服をテーマに、テクノロジーを駆使しこれまでも新しい取り組みを続けてきた「ANREALAGE」が、音を体で感じるアクセサリー型の装置「Ontenna」とコラボレーション。音に反応して明滅するOntennaをアクセサリーとして拡張することで、聴覚情報を視覚情報に「翻訳」し、情報を携えた新しいファッションを切り開く。

『GenGen x Live Jacket x KANSAI YAMAMOTO』
KANSAI YAMAOTOによる、音楽を振動で体感し踊る軌跡を視覚的に増幅させるジャケット。多様性の街・渋谷の風景写真をコラージュしてつくられたテキスタイルに、フリンジやチェーンの装飾を組み合わせた。ケンモチヒデフミがサウンドした、自然音とサイケデリックな人工音があわさったテクスチュアが全身に鳴り響く。着こなすのは難聴ダンサーのGenGen。

『我妻マリ x ヴィンテージファッション x WHILL』
70歳を超えた現役モデルの我妻マリと電動車椅子WHILLのコラボ。近距離モビリティを目指すWHILLとモードの代名詞でもあるドレスとスーツが一体となり、ストレッチの効いたウェアラブルなピースが融合することで、車椅子は障害者のものという常識と街の風景を変えていく。自転車に乗るようにカジュアルに楽しめる、ファッションとしての車椅子という可能性が開かれる。

『Tommy Hilfiger Adaptive x GIMICO・あべけん太・栗原慎子・益ノ進』
アダプティブファッションの先駆的存在として2016年にスタートした「Tommy Hilfiger Adaptive」を、義足モデル、ダウン症Youtuber、車椅子ユーザーの子ども、義手の社会人が着用。ボタンをマグネット仕様にするなど、誰でも着やすい服を目指す。高齢者、障害者をふくめると世界中の人口の約15%が利用するアダプティブ機能が決してニッチではないことを教えてくれる。

落合陽一(おちあい・よういち)●1987年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター センター長、准教授・JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。「デジタルネイチャー(PLANETS)」、「2030年の世界地図帳(SBクリエイティブ)」など著書多数。「物化する計算機自然と対峙し、質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」をステートメントに、研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。オンラインサロン「落合陽一塾」主宰。

「True Colors FASHION 身体の多様性を未来に放つ ダイバーシティ・ファッションショー」開催概要

日時:2021年5月30日(日)13時~

視聴方法:True Colors Festival YouTube公式チャンネル

※6月1日(火)までは上記よりアーカイブが視聴できます。6月2日(水)以降、同チャンネルではショーとインタビューが個別にアーカイブされます。

ノンカット版は、「THEATRE for ALL」にてアーカイブ配信をスタートします。 ※UDCastを使った音声ガイド / 解説番組は、アーカイブ時もご利用いただけます。 OkanWatch(周囲の音のリズム・大きさを色と振動で感じるアプリ) ※今回、試験的に先着100名の方に期間限定で体験いただけます。5月28日(金)よりダウンロード開始予定です。

 

問い合わせ/日本財団DIVERSITY IN THE ARTS True Colors Festivalチーム

TEL:03-6455-3335(平日10時~17時)

EMAIL: info@truecolorsfestival.com