アメリカ生活で身近に感じるチャリティ活動の背景には、さまざまな動機がある。スーパーマーケットでは子どもの飢餓撲滅、ペットショップでは保護動物救済など、レジの精算画面でそれらの募金が促される。不要物はチャリティ団体運営のスリフトショップに寄付し、退役軍人ホームレスには1ドル札を渡す。これらは、隣人を愛し、社会奉仕を尊ぶ信仰心による部分も大きい。
また、チャリティ活動や寄付の金額は税金控除の対象になるため、寄付金は政府ではなく個人的に支援するNPOやムーブメントに支払う。成功者やセレブリティがチャリティ財団を設立するのも、こうした税金対策が理由だが、熱心に活動をアピールする有名人やプロスポーツチームの社会に与える影響は侮れない。経済格差や人種・性における差別が蔓延するアメリカ。盛んに行われるチャリティ活動が社会の改善に貢献しているのだ。