WHOの発表をもとにした2020年9月の新型コロナワクチンの開発状況。166以上のワクチンが世界で開発中だった。右側にDNAワクチンなどワクチンの種類を記載。開発過程に合わせて水玉を配置し、ウイルスベクターワクチンが承認に至ったと示す。ドイツのリリエンタールから届いた風景にグラフを重ね、水玉は果実のよう。A project by Pentagram: Giorgia Lupi, with Ting Fang Cheng, Talia Cotton, Phil Cox, and Sarah Kay Miller
昨年5月、デザインスタジオ「ペンタグラム」のニューヨークオフィスは「ハッピー・データ(Happy Data)」と称するグラフィックをウェブで公開した。これは、コロナ禍において見つけたポジティブなデータをデザインして見せる取り組みだ。
ペンタグラムの役員のジョージア・ルピは、大恐慌以来の深刻な景気後退を引き起こしたパンデミックと、ジョージ・フロイドの暴行死事件というふたつの重大な危機を契機にプロジェクトを始めた。連日報道されるつらいニュースに負けない、希望が感じられるデータをリサーチ。それらをもとに社員や友人によるスナップ写真と手書きの文字や絵を組み合わせ、「ハッピー」なインフォグラフィックスをつくった。ルールは、カラフルな色を使うことと、文字を手書きすること。インスタグラムでのシェアも考慮し、画角はすべて正方形にした。
ハッピー・データは、ルピが発案した、人間性を中心に位置付けてデータを扱う「データ・ヒューマニズム」という考えにのっとっている。ルピは言う。「データは現実を抽象化したもの。数字がなにを語るのか、人なのか、ストーリーなのかに着目する必要がある」
ハッピー・データのサイトでは情報や写真を一般からも募集している。コロナ禍において気持ちが前向きになれるデータを見つけたら、知らせてみてはどうだろう?
昨年3月11日、NBAのシーズン一時中断が発表された。以降、全米のプロスポーツチームが立ち上がり、試合やイベント中止により減収や失業の恐れのある会場スタッフをサポートする寄付を開始したという、CBSニュースのリポートをもとにしたデータ。背景はブルックリンにあるルピの自宅から見た、マンハッタンの眺め。A project by Pentagram: Giorgia Lupi, with Ting Fang Cheng, Talia Cotton, Phil Cox, and Sarah Kay Miller
グローバル・ワーク・インデックス社による2020年4月の調査から、在宅勤務のメリットをブルックリンの窓辺の写真を背景に伝える。フレキシブルな勤務時間や、通勤がなくなって得られた自由時間を利点に挙げた人が多かった。ロックダウンは大きな痛みを伴うが、在宅勤務が可能な人には利点もあったことを気付かせる。A project by Pentagram: Giorgia Lupi, with Ting Fang Cheng, Talia Cotton, Phil Cox, and Sarah Kay Miller