大滝詠一のつくった楽曲から"伝説"は始まった。──ギタリスト・鈴木 茂が明かす、はっぴいえんど結成の裏側。

  • 文:松永尚久
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鈴木茂●1951年、東京都生まれ。69年、はっぴいえんどに加入。70年、ファースト・アルバム『はっぴいえんど』をリリース。73年までに3枚のアルバムを発表し解散。その後、細野晴臣、林立夫、松任谷正隆とティン・パン・アレーを始動。74年、単身LAにわたり、現地ミュージシャンを起用してソロ・アルバム『BAND WAGON』を制作。帰国後、鈴木茂&ハックルバックを結成し、全国ツアーを行う。以後6枚のソロ・アルバムをリリース。そのかたわら、スタジオワーク、ライブサポート、アレンジャー、プロデューサーとしても活躍。中島みゆき、松任谷由実、杉真理、矢野顕子、EPO、小坂忠ら、数多くのアーティストをサポートしている。2003年からはライブ活動を本格化。また、自らの理想を追求したエフェクターの製作販売も行う。

大滝詠一とゆかりの深い、もしくは影響を受けたミュージシャンが登場し、彼への思いを語るJ-WAVE「STEP ONE」の特別番組「Pen TALK ABOUT EIICHI OHTAKI」。最終日となる本日3月25日(木)には、はっぴいえんどのメンバーであり、その後の大滝作品にも多数携わっているギタリスト・鈴木茂が登場。彼だからこそ知る、大滝の素顔を語ってくれた。

「大滝さんて変わった人で(笑)。スコアマニアというかね。麻雀やるにしても、野球をやるにしても、とにかくスコアを付けて記録したがる。分析をするのが好きなのかな」。音楽に対しても、分析的に考えて制作していた印象で、天才というより秀才タイプだったという。「思いついたものをそのままつくり上げるというよりも、いろんなデータを合わせて最終目標に近づけるというか。”ひらめき”を上回るデータをもっている人ですよね」

大滝の知識量は音楽の範疇にとどまらず、その博識ぶりに鈴木は驚いた。「特に落語に詳しくて。昭和を感じさせるお兄さんという印象が僕には強いですね。とっても素晴らしい人です。そういった人格が音楽にも表現されていると思いますね」

緻密な音楽のつくり手である大滝の楽曲の中から、鈴木が選んだのは、はっぴいえんどの「12月の雨の日」。これは鈴木がバンドに加入するきっかけとなった楽曲でもある。

「当初、細野晴臣さん、松本隆さん、大滝さんでバンド『バレンタイン・ブルー』を結成していて。リード・ギターを弾いてくれる人がほしいということで、細野さんの紹介で松本さんの家にギターを持って僕が訪れたんです。みなさんと少し話をした後で、細野さんが大滝さんのつくった楽曲をギターで弾き始めると、僕がイントロを思いついた訳なんですよね。そこで弾いたフレーズが、やがてこの『12月の雨の日』になり、はっぴいえんどが結成されることになるんですけど。いまだにライブで演奏をしますし、自分にとって思い出深い一曲でもあります」


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「STEP ONE」「Pen TALK ABOUT EIICHI OHTAKI」

放送日時:2021年3月15日(月)~3月25日(木)の月曜~木曜 11時20分~11時30分頃
内容:Pen 4/1号『大滝詠一に恋をして。』とコラボレーション。
毎回、スペシャルゲストが登場し、大滝詠一のお気に入りの1曲を紹介しながらその想いを語ります。

Radikoでこちらから聴くことができます。
https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20210325112327
※聴取期限はOAから1週間以内

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