ていねいな仕事ぶりが光る噂の人気店から、プロも通う大型店、独自のルートで鮮魚を仕入れる個性派まで、魚を愛してやまない都内の6軒を紹介しよう。
まずは姿や形を見てもらい、魚に興味をもってほしい。
都内に6店舗(※2021年3月時点)を展開し、魚の新たな魅力を伝えている「サカナバッカ」。全国の産地から届く色とりどりの魚を、そのまま並べることにこだわる。「まずは魚がどういう姿をしているのか、そこから興味をもってもらうというコミュニケーションを、お客様と始めます」と話すのは、中目黒店の店長、岡部拓也さん。珍しい魚ほどていねいに説明し、その魅力を伝えたいという。
たとえば、取材日のお薦めは山口産のハタ。キジハタ、アオハタ、アカハタと同じハタでも旬やサイズによって適したメニューも調理法も異なると説明されれば、自ずと魚への理解が深まる。個性豊かな魚の姿形を丸で見てから捌いてもらうという本来あるべき販売方法が、魚に馴染みのない客層に新鮮な体験を与えているようだ。
店頭では用途に応じて捌いてくれるのはもちろん、旬の魚のフェアやお薦めの食べ方も親切にアドバイスしてくれるので、気軽に立ち寄ってほしい。
サカナバッカ中目黒
東京都目黒区上目黒2-21-4 大和ビル1F TEL:03-6712-2121
営業時間:11時~19時(月~金、日、祝)、10時~19時(土)
雰囲気は市場さながら、活気ある魚のデパート
2020年に創業100年を迎えた「吉池」。御徒町駅前ビルの1階と地下は、魚市場のような活気に満ち、豊富な魚を扱う魚のデパートだ。客は会社帰りのサラリーマンから飲食店のプロまで幅広い。
この道50年という同店食品部部長の高橋與一郎さんは、まさに魚のエキスパート。「魚好きのお客様が多く、丸魚一匹を買って自分で捌く方も多いですよ」と言う。
ここでは、年間を通してクジラやウニ、カニや珍しい活ドジョウも手に入るため飲食店からも頼りにされている。年末の風物詩は北海道の自社工場で加工する新巻ジャケで、年間一万匹を売る。創業者の出身地である越後村上のジャケも販売している。「村上のサケは寒風にさらし熟成させた塩引きで、保存も効くのでお茶漬にも最適です」と高橋さん。寒ブリやキンメ、アンコウなど、魚がおいしくなる季節、活気を味わいながら買い物を楽しみたい。
吉池本店
東京都台東区上野3-27-12 TEL:03-3831-0141
営業時間:9時30分~20時30分
定休日:無休
由緒ある血統を誇る、上質なサーモンが並ぶ。
サーモン養殖数量ナンバーワンを誇るモウイ社のトップブランドとして知られるモウイ サーモン。50年以上前、ノルウェーの激流で発見された完璧な資質をもつ親魚を血統とし、長年の研究を経てサステイナブルな手法で養殖を行っている。同社は2016年に日本初の直営店をオープンし、魚の目利きが集う築地で徐々に認知度を高めている。
モウイサーモンは引き締まった身と鮮やかな色が特徴。旨味成分が高く、しっかりと旨味が感じられる。ほどよくのった脂と甘みのあるサーモンは、和・洋・中、どんな料理とも相性抜群だ。店頭ではフィレやスライス、スモークの真空パックの他、サラダやサンドイッチ、おにぎりなども販売。サーモンの新たな楽しみ方を提案している。贅沢に特大のフィレを購入すれば、刺し身や手巻き寿司、しゃぶしゃぶ、バーベキュー、カナッペなど年末年始のパーティに大活躍するはずだ。
モウイ サーモン ストア
東京都中央区築地6-21-2 唐沢ビル1F TEL:03-6228-4954
営業時間:10時~17時
定休日:水、日、祝
この記事は2020年 Pen 1/15号「やっぱり、魚かな。」特集からの抜粋です。
価格・営業時間・定休日は記載と異なる場合があります。来店の際は、事前に店舗までご確認ください。