名建築の空間で、池田エライザ演じる春野藤と、田口トモロヲ演じる植草千明が優雅にランチを食べる……という真夜中ドラマ「名建築で昼食を」をご存知だろうか。1話30分の全10話で、舞台はクラシックホテルの代表格「山の上ホテル」や、フランク・ロイド・ライト設計の「自由学園明日館」など、名作と呼ばれながらいまも現役で使われている建築たちだ。ドラマの途中には、実際に建物の館長などを務めている人たちも登場し、建築のコンセプトやディテールへのこだわりといった解説も聞くことができる。さらにこのドラマでは「美味しいものが登場する」という嬉しい見どころも。ビーフカレーやマカロニグラタンをはじめとする料理が登場し、建築好きでなくてもグッときてしまうこと間違いなしの番組なのだ。
深夜にゆるりと、美しい建築と美味しいランチが見れるとあって好評だったこのドラマだが、放送は2020年10月に終了。しかしご安心を、昨年12月にドラマをまとめたオフィシャルブックが発売されているので、そちらをチェックしてみてほしい。
そして2021年1月23日に、60分の拡大版スペシャルがテレビ大阪とBSテレ東で放送される。今回の舞台は横浜。マッカーサーやチャップリンも愛した歴史ある「ホテルニューグランド」や、「神奈川県立音楽堂」なども登場。さらに建築模型士・千明の過去が明かされる……という気になる展開も見逃せない。今回、この収録中の現場にお邪魔し、池田エライザと田口トモロヲの主演ふたりに、このドラマの思い出などを聞いた。
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前川國男の代表作のひとつ「神奈川県立音楽堂」。
インタビューを行ったのは横浜にある「神奈川県立音楽堂」。日本モダニズムの巨匠・前川國男設計で、1954年に竣工しいまも世界的な音楽家たちのコンサートが行われている建築だ。ホール内の壁や天井は音響のためすべて木製。ホールだけでなく、ガラス貼りのロビーも前川らしい意匠が見られる。建物隣には同じく前川が設計した県立図書館と県立青少年センターもあり、1998年には、モダン・ムーブメントにかかわる建物などの保存を目的とした国際組織「DOCOMOMO Japan(ドコモモ・ジャパン)」の「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選ばれている。
数々の名建築での撮影を振り返ってみて、田口はこう語る。「どの現場も本当に素敵でした。山の上ホテルは、改めて宿泊してじっくりと建築美を堪能してみたいですね。階段もエロティックで、この撮影で『千明って階段フェチなんだな』と気付かされましたね」。一方で池田は、「東京都庭園美術館」の旧朝香宮邸が忘れられないと言う。「アール・デコの細やかな装飾が素敵でした。社交場としてつくられた空間と聞いて、現代ではなかなかない場所なのでとてもワクワクしました」
また、池田はこんなエピソードも聞かせてくれた。「台本を渡されると、撮影シーンで登場するランチが楽しみで。毎回、スタッフさんに止められるまで食べていました(笑)。自由学園明日館にあるレストランの、コース料理が美味しかったですね」。田口も同じく食事のシーンを楽しみにしていたそうで「明日館でのランチを完食してからというもの、それから僕らは毎回全部食べるというのがお決まりになりました」と笑った。
1月23日のスペシャル版では、スパゲッティナポリタンや、プリン・ア・ラ・モードなどの名建築で食べられる絶品グルメも登場するという。オフィシャルブックで振り返りつつ、スペシャル版「名建築で昼食を」の放送を楽しみにしたい。
「名建築で昼食を」スペシャル 横浜編
出演/池田エライザ、田口トモロヲ、三上寛、加藤登紀子
2021年1月23日(土)放送
テレビ大阪13時25分~14時25分
BSテレ東(BS 7ch)12時〜13時
BSテレ東4K(4K 7ch)12時〜13時
※NTTぷらら「ひかりTV」で1週間先行配信
www.tv-osaka.co.jp/meikenchiku
『名建築で昼食を オフィシャルブック』
CCCメディアハウス刊 ¥1,540(税込)
www.amazon.co.jp/dp/4484202344 (外部サイトに移動します)