12月3日(木)より、「無印良品 東京有明」がオープンした。関東圏で最大規模の売り場面積1400坪を誇る同店を、良品計画・金井政明会長は「実験の場」と称す。その言葉通り、これまでになかった8つの新しいサービス・商品をスタートし、百貨店ならぬ「百八貨店」と打ち出している。「家づくり」「暮らしのサポート」「街づくり」という3つをテーマのもと展開される注目の新サービス・商品を、店内写真とともに紹介する。
3階建てとなる店内は、1階が「食」、2階が「住まい」、3階は衣料品や文房具など「生活雑貨」に関する売り場やサービスが展開されている。
2階を歩いていると、モデルハウス一棟がまるごと建てられている光景に驚くことだろう。「家づくり」に関する新しい取り組みとして、MUJI HOUSEが販売する戸建て「陽の家」の原寸大モデルハウスを店内に設置している(首都圏では初)。平屋建てが特徴的だが、幅広い世代へ向け、多様な暮らしの形に対応するべく開発されたという。室内に置いている家具や雑貨もすべて無印良品のもので、中に入れば無印の世界観を存分に体感できる。また、ここで「無印良品が考える暮らしの形」をテーマに、クリエイターなどとのトークイベントを毎月開催する予定とのことだ。
「家づくり」に関する新サービスとして、「部分リフォーム」と「全面リノベーション」がある。リフォームやリノベーションに関する相談窓口が設置されており、実際のモデルルームやリフォームの事例などもここで見ることができる。壁を立てる、仕上げるなどの簡単な工事から、キッチン、リビング、ダイニングなど一部屋ごとの空間パッケージをベースに、一部屋単位でのリフォームを相談可能だ。
フルリノベーションの「MUJI INFILL 0」というサービス名には、本当に必要なものだけを残して、暮らしの「0(原点)」をつくり、自分らしく住まいを編集するというメッセージが込められている。店内には原寸大の「MUJI INFILL 0」のモデルルームがあり、より具体的にリノベーション後の我が家の姿が想像できるようになっている。
「暮らしのサポート」の新サービスとして、2階に設置された「くらしなんでも相談所」にも注目したい。片付けサポートや掃除サポート、インテリアの相談など、さまざまな暮らしに関する困りごとに寄り添ったサービスが用意されている。これらは約1年前から有明エリアの住民に住まいに関するアンケートや座談会を実施し、その中から吸い上げた「暮らしの悩み」に基づいてつくり上げられたという。
「暮らしのサポート」として、食に関するサービスも充実している。さまざまな需要に対応すべく、コーヒーや紅茶、お菓子など50種類以上の食品が量り売りされる。「食のコンパクトライフ」を目指し、20g以上から1g単位で、1個ずつ、一人分ずつという最小単位で販売。
店内には3つの飲食スペースがある。素材にこだわり店内で焼き上げたパンを販売するMUJI Bakery、旬の野菜や果物を使ったフレッシュジュースが飲めるジューススタンド、素材そのものの味を生かした「素の食」が味わえる「Café&Meal MUJI」と、さまざまなシチュエーションで使い分けることができそうだ。
また、給水サービスも実施。店内の3か所に給水器を設置し、マイボトルを持っていけば、水道水を誰でも無料で利用することできる。飲料水をきっかけに、顧客と一緒に環境や健康について考えていくことが目的だという。
「暮らしのサポート」には、環境に配慮した商品・サービスの展開も含まれる。洗剤の量り売りを実施し、環境に配慮した4種(衣類用、バス用、トイレ用、食器用)の洗剤と、アルカリ電解水クリーナーを100mL単位から購入可能。持参したボトルに入れて持ち帰れるので、詰め替え用のパッケージも必要ない。
また、さまざまな商品の包装用のパッケージも簡略化され、たとえば靴下やストールの陳列用フックや、インナーのパッケージなどもプラスティックでなく紙製のものが多く使われる。
「街づくり」の新サービスとしてスタートしたのは、個人単位にとどまらない「街全体」の空間づくり。「家」「オフィス」「商業施設」「公共」の4つの分野で、企画から考える空間づくりのサービスを開始する。
オフィス分野では、昨今のリモートワークに合わせてオフィス縮小や、働き方を見直したい人へ向けたオフィスリノベーションを提案。店内に設置された法人用のリフォームカウンターやオンラインから相談を募っていく。また、「見えるオフィス」という無印良品の社員が働く環境を垣間見ることができる、実験的なモデルスペースも設置している。
さらに、地域住民とともにつくる期間限定マーケット「つながる市」の開催、食品ロス削減やごみの分別などの環境に関する江東区との協業なども、「街づくり」に関わる取り組みとして行っていく。
これらの新サービスの他にも、従来の商品をブラックにした家具や雑貨を集めたコーナーや、多種多様な観葉植物を置く「GREEN&FLOWER」など、見どころたっぷり。近隣に居住していなくとも、一見の価値ありだ。
【関連記事】
約1900万円で買える無印良品の「陽の家」で、新しい家の使い方を考える。
世界中の「掃除」を採集した新メッセージと「これからの無印良品」について、原研哉、上田義彦らが語った。
無印良品 東京有明
東京都江東区有明2-1-7 有明ガーデン モール&スパ 1-3F
TEL:03-6380-7818
営業時間:10時~20時
https://www.muji.com/jp/ja/shop/detail/046625