ドイツの名門、ライカカメラ社は「ライカQ2モノクローム 」を発売する。本機は、レンズ一体型のフルサイズデジタルカメラ「ライカQ2」をベースに、モノクロ撮影に特化したチューニングを施したモデルだ。新開発のモノクロ撮影専用の35mmフルサイズセンサーは4730万画素。一般的なデジタルカメラで必然的に採用されているカラーフィルターを取り除き、光の濃淡(輝度情報)だけを得ることで、極めて先鋭な画像をキャプチャーすることが可能だ。現在発売されているデジタルカメラはカラー撮影を前提として設計されているが、この常識を覆すモノクロ撮影専用モデルを発売しているのはライカだけ。2012年に登場した「ライカMモノクローム」以来、現行の「ライカM10モノクローム」に至るまでレンジファインダー機でモノクロ撮影専用機をリリースしてきたが、オートフォーカスに対応するモデルは「ライカQ2モノクローム 」が初となる。
関連記事:いま明かす、僕らがライカに恋した理由。
何かを取り除くことで、より大きな何かを得る。
ライカのプロダクトデザインの特長は、過剰な装飾を施さずシンプルに徹した形状と、写真撮影の本質に関わる部分だけを厳選して構築されたマン・マシン・インターフェイスを備えていること。その流儀から導き出される“控えめで目立たない”スタイルを、「ライカQ2モノクローム 」ではさらに先鋭化させている。本体のカラーはマット調のブラック一色。操作部などに刻まれている文字や数字のカラーも白またはグレーを採用し、「ライカQ2」ではカメラ本体正面にある「Leica」の赤いロゴを配していないなど、徹底してモノクロームの世界観を表現している。トップカバーには小さくMONOCHROMの刻印があるが、そこには白やグレーのペイントを入れず、あえてブラックアウトさせている。
何かを取り除くことで、より大きな何かを得る。モノクロ撮影専用の「ライカQ2モノクローム 」は、フィルムを使い写真を撮っている時に特有の、ある種の覚悟をもって撮影に臨む姿勢を呼び起こす。とりあえず撮るのではなく、礼儀正しく写真と向き合っていた時代の雰囲気を、クラシックライカを思わせる貼り革の手触りが盛り上げてくれる。モノクロフィルムで撮影するときに必携だった色フィルターも、「ライカQ2モノクローム 」のフィルター径に合致する新製品として用意されている。コントラストの強調や肌の調子を整えるべく、モノクロ撮影用の各種色フィルターを撮影前に選択し、「ライカQ2モノクローム 」に装着して出かけることを想像するだけで、写欲が喚起されてくる。
「ライカQ2モノクローム 」には、大口径の広角レンズ「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」が固定装着されている。本機は、リングを手動操作してマニュアルフォーカスとオートフォーカスがストレスなく切り替えられる。オートフォーカスシステムの挙動は迅速で、顔認証や追尾AFなども装備。フルサイズの撮像素子をカバーする大口径レンズにより、絞りを開くことで大きなボケ表現も得られる。モノクロ撮影に特化することでさらに先鋭度を増した4730万画素の撮像素子と、高性能ライカレンズとの組み合わせは圧巻。画像から湧き上がるディテールには驚くべきものがある。写真の一部をトリミングしても画質的に問題ないだけでなく、大判カメラを連想させる程のリアリティと、コンパクトなカメラならではのハンドリングの良さの融合により、「ライカQ2モノクローム 」は新しいジャンルのモノクロ写真を生み出すことになるだろう。
問い合わせ先/ライカ カスタマーケア TEL: 0120-03-5508