東京・表参道のGYRE GALLERYで彫刻家、名和晃平の個展『Oracle』が開催中だ。新作19点に加え、GYRE内のアトリウムには2018年に東京と京都で行われたピアニスト、中野公揮のコンサートに登場した彫刻作品『Silhouette』6点が展示されている。
「Oracle」とは神託、神意、助言を与えてくれるものなどを意味する単語だ。ギャラリーの中で神々しく輝く『Trans-Sacred Deer(g/p_cloud_agyo)』は、鎌倉・南北朝時代に制作された「春日神鹿舎利厨子」の神鹿をモチーフにした作品。本物の厨子は40cmに満たず、神鹿は手のひらに乗るほどのサイズだ。名和はこの神鹿を、3D技術と箔押しなどの伝統的な技法によって、大きく華やかに出現させた。
現在、名和は明治神宮鎮座百年祭で2つの作品を公開中。「表参道は明治神宮へ続く参道。百年祭に繋がる参道でこういった展示ができることは、僕のなかでとても重要なことです。いまの表参道は商業ビルが集まる道だと思われがちだが、元々は明治神宮のための参道なので、今回の二つの展示はそれを思い出すきっかけになってほしい」と語った。
今回の個展では、9つの作品シリーズが共存している。そのなかには「Blue Seed」、「Dune」など新たに公開されたシリーズも登場。一方で、名和が長年制作を続ける「PixCell」も展示。無数の球体を纏った動物の標本が、展示空間に佇んでいる。
開催期間は2021年1月31日まで。明治神宮では『Ho/Oh』を11月3日まで、『White Deer(Meiji Jingu)』を12月13日まで公開中だ。厳かさも漂う名和の新作に心が満たされたら、本来の表参道の姿に想いを馳せ、明治神宮にも足を運んではいかがだろうか。
名和晃平 個展「Oracle」
開催期間:2020年10月23日(金)~2021年1月31日(日)
開催場所:GYRE GALLERY
東京都渋谷区神宮前5 -10 -1 GYRE 3F
開館時間:11時~20時
無休
入場無料
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/kohei-nawa-oracle/
明治神宮鎮座百年祭
名和晃平による彫刻の特別展示
『Ho / Oh』
展示期間: 2020年10月23日(金) – 11月3日(火)
※10月30日– 11月1日は夜間特別参拝が実施されます
展示場所:明治神宮・南神門
〒151-8557東京都渋谷区代々木神園町1-1
協力:株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸大阪心斎橋店
www.meijijingu.or.jp/enshrined100/
『White Deer (Meiji Jingu)』
展示期間: – 2020年12月13日(日)
展示場所:明治神宮・明治神宮ミュージアム入口
〒151-8557東京都渋谷区代々木神園町1-1
https://en.jingu-artfest.jp/tenku-kaikatsu/