1970年にオメガはNASAから優れた功績を讃えるシルバー スヌーピー アワードを授与された。65年から公式採用されたクロノグラフ「スピードマスター」が宇宙飛行士をさまざまにサポートしてきただけでなく、爆発事故を起こしたアポロ13号の奇跡的な生還に貢献したことが直接的な理由だ。それから50周年を記念して特別モデルが登場した。オメガでは2003年からスヌーピーをアレンジしたモデルを発表してきたが、これまでにも増して斬新なデザインであると同時に、新技術を投入。とりわけケースバックにお楽しみが隠されている。
ダイヤルベースはシルバーだが、3つのサブダイヤルとインデックスや針、外周のタキメータースケールもすべてブルー。もちろんストラップもブルーで合わせており、清新で若々しい印象を与える。9時位置のサブダイヤル(通常秒針)に宇宙服を着込んだ愛らしいスヌーピーが描かれており、特別モデルであることが分かる。ちなみに、NASAとスヌーピーの関係は60年代から始まり、シルバー スヌーピー アワードは68年に誕生。月面着陸のリハーサルプロジェクトであるアポロ10号では司令船にチャーリー・ブラウン、着陸船にスヌーピーのコールサインが与えられていた。ビーグル犬のように月面を探索するミッションに由来するともいわれる。
このイメージを実体化したのがケースバックだ。サファイアクリスタルの約半分をオメガ独自のマイクロ構造金属化技術を使用した月面が覆っている。その向こうには青い地球が描かれているだけでなく、秒針と連動。あたかも自転のように1分間に1回転する。背後の漆黒の宇宙空間に浮かぶ象徴的な“Eyes on the Stars(星を見てごらん)”のフレーズもロマンチックではないか。
さらに、クロノグラフを起動させると、司令機械船に乗り込んだスヌーピーを先端に持つ針が動き始めるのである。受賞理由となったアポロ13号の周回軌道を模しており、月の裏側を抜けて下方から再び姿を現す。ケースバック外周にはApolloⅩⅢの文字も刻印。微笑ましい遊び心だけでなく、月面到達を目指したアポロ計画の歴史にも想いを馳せることができる。
この特別モデルは限定ではなく、いつでも入手可能なレギュラーコレクションであることにも注目したい。とびきりユニークな機構を時計の裏側に秘めながらも、表側はシルバーとブルーのスタイリッシュなコンビネーション。クロノグラフの機能と合わせて、3つの側面を楽しめる贅沢な記念モデルといえるだろう。
問い合わせ先/オメガお客様センター TEL:03-5952-4400