昭和、平成、令和と時代は流れ、いまや若い女性たちからも大人気を博す、甘酸っぱくて、シュワッとした刺激が実にたまらない逸品、レモンサワー。
そのつくり方のコツを「OPEN BOOK」の田中開さんに聞いた。ポイントはグラスを冷やし、レモンの皮を下に向けて搾ることだ。
※こちらの記事は、2020年 Pen 7/1号「ニッポンの美酒。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。
レモンサワーブームの火付け役が伝授する、本格派の一杯。
1.まず冷蔵庫や冷凍室で、グラスを冷やしておく。
2.果肉をつぶすようにしっかりと、レモンは事前に搾っておく。
3.次にグラスに氷を入れるが、上まで詰めると解けにくい。氷を軽くかき混ぜて、グラスをさらに冷やす。
4.氷が解けないように、焼酎はゆっくりと注ぐ。
5.軽く2回ほど混ぜて、アルコールを冷やす。
6.氷に当たらないように、マドラーを使い炭酸水を注ぐ。
7.種があれば事前に取り除き、搾ったレモンを注ぐ。
8.マドラーをグラスの底まで入れ、氷を浮かすイメージで混ぜる。
9.レモンの切り口にある果肉を、グラスの縁でこそげ落とす。
10.くし切りにしたレモンを搾る。皮を下に向けるのがポイント
最後にレモンを搾ることで風味が格段にアップ。搾ったレモンはそのままグラスへ。くし切りが大きければ1/2サイズに。
レモンと焼酎、炭酸水を極める!
いまは輸入レモンと国産品を選べる時代。「輸入品は果汁の酸がしっかり。国産は甘味もあり、皮も安心して使いやすい」と田中さん。味の力強さは輸入レモン、安心感なら国産のようだ。またレモンは切り方もさまざま。「くし切りレモンを冷凍し、氷代わりにするのは『素揚げや』さんの発明です」。薄まることなく変化する味を楽しめる。
レモンの風味を際立たせる、 クリアなスピリッが基本。
レモンサワーといえば「キンミヤ」「宝焼酎 純」などまろやかでクセのない甲類焼酎を使うのが王道。素材の風味を活かした乙類焼酎なら、麦や米など軽やかなタイプがいい。田中さん曰く「いろいろな酒で試してみたところ、レモンサワーは懐が深い。基本の味から一歩踏み出し、焼酎以外のスピリッツにチャレンジするのも面白いですよ」
ビリリとのどを刺激する、 強炭酸水が続々登場。
レモンサワーに合う炭酸水とは。「炭酸の強さは個人の好みで選べばいい。弱ければ素材の味を、強ければ刺激を楽しめる。自分の店はかなり強炭酸なほうですね」と田中さん。世の中の流れは強い炭酸を求める方向に向かっているようだ。ここ数年は強炭酸を謳う商品が次々に登場。自宅でもガツンと爽快な一杯を味わえる。