スクエアケースのダイバーズウォッチというだけでもかなりレアなスタイルだが、ダイヤルの全面に蓄光式夜光塗料のスーパールミノバをコーティング。暗闇で息を呑むほど圧倒的な視認性を誇る「BR 03-92 ダイバー フル ラム」がベル&ロスから登場した。
航空機のコックピットから計器盤をそのまま切り出したような「BR 01」シリーズで世界的にブレークしたブランドだが、パイロットウォッチだけでなく、同形の「BR 03-92 ダイバー」を2017年に発表。300m防水の本格スペックに加えて、ダイバーズウォッチの国際規格であるISO6425に準拠した初の角形モデルともいわれる。1997年に「ハイドロマックス」で防水深度1万1100mの世界記録を達成しており、こうしたプロフェッショナル志向の技術蓄積が、ダイバーズでは常識的なネジ込み式でなく、はめ込み式のビス留め裏蓋で高度な気密性を実現したといえるかもしれない。
この「BR 03-92 ダイバー」は重量感のあるブロンズケースもラインナップされたが、新作の「フル ラム」では一転して軽量のハイテクセラミックを採用。ブラックマットのケースはもちろん、潜水時間などを測定できる片方向回転ベゼルにもアレンジしている。ハイテクセラミックは表面硬度が高くスリ傷などがつきにくいため、普段使いにも最適ではないだろうか。
ISOに準拠しているだけに、耐磁性など機能面は申し分ないが、やはり目を惹くのはライトグリーンのダイヤルだ。スーパールミノバC5を全面に塗布しているほか、立体的なアプライドのスケルトン・インデックスとベゼルの目盛りなどにはスーパールミノバC3を注入。異なる色味と輝度によって、明かりのない暗所や海中でも25㎝先から判読でき、強力な発光も長く持続するという。
四隅の大きなビスをアクセントとして、リューズガードを備えたスクエアケースが独特の個性を放ちながらも、ダイバーズウォッチに求められる機能は十全に満たしている。それでいてスタイリッシュな雰囲気を湛えているのは、フランス・ブランドらしい上質なデザインセンスと、ディテールを丁寧かつ完璧なバランスで仕上げているからではないだろうか。
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