“メガネを本質からデザインする”というコンセプトのもと、世界的なデザイナーを起用して新たな価値あるメガネを提案する「ジンズ デザインプロジェクト」。その第5弾となる今回、ロナン&エルワン・ブルレックとのコラボレーションによって、「スガタ(SUGATA)」コレクションが完成した。
パリを拠点に、家具から照明器具、家電、テキスタイルまで世界的規模で手がけるブルレック兄弟にとって、メガネをデザインするのは初めての挑戦だったとは意外だが、試行錯誤や苦心を想像させないほど、「スガタ」の全4型16種類は自然で、存在を主張しすぎない空気感を漂わせている。
兄のロナンは、形状へのアイデアをこう語る。
「かける、はずす。その動きを伴うのがメガネです。そして同時に、メガネをかけることによってその人自身の佇まいが補完され、単なる美しさ以上の洗練された姿になる。そういった点に着目して私たちが選んだ概念が、“エレガンス”です」
彼らが望む、軽やかで透明感のあるメガネを実現するには、ジンズの技術力も当然不可欠だった。特に、フロントとヒンジをつなぐ「ヨロイ」と呼ばれる部分をなくすという革新的なアプローチを成し遂げたことは、「文化的に鑑みても、いままでにない発想だった」と弟のエルワンも振り返る。
「ヨロイをなくすにあたり、顔の上でちゃんとバランスが取れるように細部まで工夫し、かける人自身を引き立てるように考え抜き、柔軟性と幅広さにたどり着きました。選ぶメガネによって、その人をおかしなキャラクターで歪めたりしないように、エレガンスをもって佇まいを表現できるように、技術力と素材を駆使しているのです」
フレームは丸みのあるタイプから角ばったものまであり、カラーも透明なピンクやクリアから濃いブラックまで揃う。一見、全く違うように感じられるバリエーションは、同じデザイン理論に基づいて作られているからこそ、「どんな人にもふさわしいひとつ」が見つかる包容力を備えているのだろう。
細部まで考え抜かれ、洗練された表情が生まれた。
緩やかなラウンド型の「スガタ O」は、定番のマットブラック、グレイ、ブラウンデミに加えて、透明なピンクが特徴的。すっきりとしたシルエットが、フェミニンすぎない雰囲気を支えている。
ミニマルな丸型の「スガタ R」。古典的な真ん丸形を時代に合わせて洗練させ、ヨロイ部分をなくしたことで一層、軽やかな印象に仕上がっている。かける人の性別年齢を問わないタイプだろう。
優しいスクエア型の「スガタ S」は、オフィシャルな場にも馴染みやすい形状とカラーバリエーションが揃う。全体が細いフレームで構成されている心地よさを最も引き出すスタイルのようだ。
4型の中ではいちばん大きなレンズの「スガタ ST」。色展開は「スガタ S」と同じで、顔の骨格や表情に合わせて多くの人が手に取れる幅広さと、かける人の個性を引き出す優しさを感じさせる。
ロナン&エルワン・ブルレック
兄のロナン(右)は1971年、弟のエルワン(左)は1976年、フランスのブルターニュ地方カンペール市生まれ。1999年にスタジオを設立して共同での活動を始め、プロダクトデザインから公共空間、都市デザインに至る幅広い分野で活動をしている。ヴィトラ、カッシーナ、フロス、マジス、クヴァドラなど国際的な企業のための製品デザインのほか、伝統技術を継承する職人たちとのコラボレーションに取り組み、手がけた製品はパリのポンピドゥーセンターやニューヨーク近代美術館をはじめとする主要な美術館にも収蔵されている。www.bouroullec.com
問い合わせ先/ジンズ TEL:0120-588-418(フリーダイヤル) www.jins.com