2000年に発表しベストセラーとなった、誰もいない東京の街を写した中野正貴の『TOKYO NOBODY』。その後も「無人の東京」を今日まで撮り続けてきた中野の集大成と言える作品集『TOKYO』が、この度刊行されました。
2020年のオリンピックを控え、目まぐるしく変化する東京の街。本書に収められているのは、まもなく完成となる新国立競技場の建設地までを含む、8×10の大判カメラで切り取った約30年間にわたる街のポートレートです。人が一人も写っていない特異なシチュエーションは、凛とした都市の表情を際立たせます。
銀座 蔦屋書店では、エディションナンバー・直筆サイン入りの特別版を限定50部販売。特典として、ビルの間に見える東京タワーを写した銀塩プリントが付いています。さらに11月23日からは、東京都写真美術館で中野の個展『東京』の開催が予定されています。
本書の刊行に際し、中野は「東京に流れる時間の集積と考察であるが、今後の東京をインスピレーションする為の誘発物も含んでいる」とコメントしました。見慣れた街の風景の知らない姿にハッとするとともに、この先の東京の変化を考える契機となる1冊です。