中国古典研究の第一人者による「漢」の入門書。劉邦が項羽を破り、紀元前202年に興した漢は、前漢、後漢を合わせると400年以上続いた中国史上最長の統一帝国だ。漢字、漢民族という表現もこの時代に由来する。著者は本書で、漢の思想の核となった「儒教」に焦点を当て、国家の興亡の歴史をたどった。統治者たちは、権力の継承や土地の所有、中央集権など、各時代に合う形で儒教を利用し、国を統制した。仏教や道教では成し得なかったことが、儒教では可能だった点が興味深い。
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