イタリアブランドらしいエレガントさと、現代的な軽やかなムードを、ふたつながらに備えるサルヴァトーレ フェラガモ。2018年の春夏コレクションで注目したいのは、新たに登場したスニーカーの「CUBE」です。
名前の由来は、アウトソールにあしらわれたダイヤモンドカットのような突起にあります。この幾何学的なデザインにより、いわゆるスポーツブランドのスニーカーにはない、モダンで緊張感のあるムードが漂います。特筆すべきはデザインだけではありません。機能的にも、この張り出しがある分グリップ力が向上し、靴底の最も圧力がかかる部分をしっかりとサポートする仕組みに。また、「世界を股にかけて旅する都会的な男性」をイメージしたというコンセプト通り、驚くほど軽量につくられています。
靴づくりから始まったブランドらしい、細部にまでこだわったクラフツマンシップあふれるスニーカーは、すべてメイド・イン・イタリー。美しさと機能性を、高い次元で融合させた逸品です。ラインアップは、レースアップ、レザースリッポン、メッシュ素材を使ったスリッポンの全3型。次ページではそれぞれの魅力に迫ります。
レースアップとスリッポン2種、3型それぞれの魅力。
レースアップタイプは、土踏まずのくびれから、つま先にかけてのテーパードラインが美しく仕上がっています。タンとアッパーはポリッシュカーフ、羽根の部分はヌバックスエードと、素材の切り替えが優雅なグラデーションを描いています。はっきりとした青やグレーではなく、今季のトレンドでもあるパステルカラーを採用。足元から軽やかに見せてくれます。タンにはアッパーをカバーするクッション入りのパッドを採用しているため、歩きやすいのも特徴です。
レザーのスリッポンスニーカーといえば、高級感はあるけど軽さに欠ける……。そんな先入観がある人にこそお薦めしたいのがこちら。”重たい”イメージを、軽々と裏切ってくれます。その秘密は薄いレザーにあります。なめしの工程に時間をかけることで非常にソフトな質感で、コーティングを施して表面に光沢を出した、いわゆるセミアニリン仕上げです。傷が付きにくいので、旅のお供はもちろん日常使いにも適しています。
3型の中でも、最もトレンドを感じさせるのが、メッシュ素材を使ったこのスリッポン。昨今のスポーティなムードを体現しています。いわゆる”ソックス一体型”とも呼ばれるタイプで、素足で履いても蒸れることなく快適に過ごせませす。また、履き口とアッパー部分で異なるメッシュ素材を使用。履き口には編み目の大きい柔らかなメッシュを使うことで、足の出し入れが容易になっています。また、アッパーとヒールカップ部分は、目の詰まった編み地にさらに芯地を入れることで補強しています。一見するとスポーティな印象ですが、レザータイプよりも足入れ部分を広く仕上げてあるため、そこはかとない色気も漂います。品のある大人のための配慮を忘れない、フェラガモらしいデザインです。