100年前の少女が撮影した、世にも不思議な“妖精写真”を「恵比寿映像祭」で目撃せよ!

  • 文:幕田けいた
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グラスゴーで撮影されたという妖精写真。あまり精巧ではない偽造写真だが、どこか温かいストーリーすら感じてしまう。『赤ちゃんの上を飛ぶ妖精たち』撮影者不詳 ゼラチン・シルバー・プリント 撮影年不詳 井村君江蔵(神智学者エドワード.L.ガードナーの遺品)

今年で10回目を迎える、映像とアートの国際フェスティヴァル「恵比寿映像祭」。今回のテーマは、目に見えないものを可視化する映像から現代を考えるという「インヴィジブル(不可視性)」。東京都写真美術館をはじめとする恵比寿地域の複数の会場で、2018年2月9日(金)から2月25日(日)まで開催されます。参加アーティストは、構造映画の代表的作家のポール・シャリッツ、インターネットアートで独自の世界を築くラファエル・ローゼンダール、新進気鋭の映画監督、ミディ・ジーなど多彩な顔ぶれです。

なかでも特に注目なのが、東京都写真美術館で展示される「コティングリー妖精写真および関連資料」。コティングリー妖精写真は、1916年にイギリスのコティングリー村に住んでいた従姉妹、フランシスとエルシーが野外で出会った妖精の姿を撮影したという不思議な写真。心霊研究家としても有名だった『シャーロック・ホームズ』の作者コナン・ドイルや、奇術界の大御所であるフーディーニをも巻き込んで、イギリス中にセンセーションを巻き起こしました。

それから60年後、「妖精を見たことは事実」としながらも、フランシスとエルシーが写真のねつ造を認めたことで騒動は終結しました。しかし、彼女たちが本当に見ていたものとはなんだったのでしょうか……。

この展示では、調査を行なった神智学者、E.L.ガードナーの遺品(妖精学研究者の井村君江がオークションで競り落としたもの)から、その他の妖精写真、同時代のものと思われる心霊写真、当時の調査報告書など、貴重な資料を紹介。100年前の事件の背景と歴史が、広く深く検証できます。

銀塩写真に写る妖精の姿をじっと眺めていると、当時の時代背景や少女たちの感性だけでなく、忘れてしまったはずの自分自身の心象風景までが浮かび上がってくるようです。

第10回恵比寿映像祭『インヴィジブル』

開催期間:2018年2月9日(金)~2月25日(日)
開催場所:東京都写真美術館3F、日仏会館、ザ・ガーデンルーム、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場、地域連携各所他 
※「コティングリー妖精写真および関連資料」の展示
東京都写真美術館3F展示室
東京都目黒区三田1-13-3
TEL: 03-3280-0099
開場時間:10時 〜 20時  ※入館は閉館の30分前まで、2月25日(日)は18時まで
休館日:2月13日(火)、2月19日(月)
会期中入場料無料 ※ 定員制のプログラムは有料

ラウンジトーク「コティングリー妖精写真および関連資料」

開催日時:2月17日(土) 13時45分~14時45分
開催場所:東京都写真美術館 2F ロビー
※妖精学研究の第一人者である井村君江(明星大学名誉教授)と浜野志保(千葉工業大学准教授)によるラウンジトーク