多彩な才能をもち、19世紀のイギリスで活躍したウィリアム・モリス。なかでも彼の手によるテキスタイルは壁紙として用いられたり、いまなお多くの人を虜にし、今日のグラフィックデザインにも大きな影響を与えています。生活と芸術を一つにする「アーツ・アンド・クラフツ運動」を推進したモリスの図案のモチーフは、草花や動物などの身近なもの。ガーデニングの国イギリスで暮らし、自然を愛した人物らしい世界が息づいています。
上質なレザー製品で名高いスペインのラグジュアリー レザー ブランド、「ロエベ」がこのたび、ウィリアム・モリスをフィーチャーしたカプセルコレクションを発表しました。洋服からバッグ、小物類までの幅広い品揃えで、メンズ・レディスが展開されています。ここでひとつ疑問を感じる人もいるかもしれません。「なぜスペインのブランドが、イギリスを象徴するモリスに目を向けたのか」、と。その答えは、「クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが、北アイルランド出身のファッションデザイナーだから」。若くしてロエベを率いるアンダーソンは、自身のルーツや生活習慣に根ざした作風で、ユニークなデザインを生んできました。今回のコレクションからも、親しんできた文化へのパーソナルな思いが感じられます。
東京・伊勢丹新宿店で11月15日(水)〜21日(火)まで開催されているポップアップショップに、来日したジョナサンが顔を見せました。「モリスのインテリアの考え方にすごく影響を受けたし、いまでもモダンな印象です。今回彼の作品をフィーチャーしたことで、反逆者的な立場から活動を始めた彼のテイストに、さらに僕らしいパンクのエッセンスを掛け合わせてみようと試みました」、とコメント。男女が共に着られる服や労働者ふうの服、おもちゃのようなレザーグッズなどを生み出すアンダーソンは、ラグジュアリーマーケットに新風を運んだ異端児でもあります。そんな彼が使ったモリスの図案は、「いちご泥棒」「フォレスト」「アカンサス」「ハニーサックル」の4種類。いちご泥棒のように“ザ・ウィリアム・モリス” と呼べるものから、ちょっと珍しいものまで幅広く選ばれています。
男性に似合うアイテムも多くあるこのカプセルコレクションは、11月15日(水)から全国のロエベブティックで販売されています。新宿伊勢丹のイベントに来られない方は、お近くの店に足を運んではいかがでしょうか。「この図案がこんなファッションになった!」というワクワクする体験が待っています。
ロエベ ウィリアム・モリス コレクション ポップアップストア
東京都新宿区新宿1-14-1
伊勢丹新宿店本館1F=ザ・ステージ
期間:2017年11月15日(水)〜21日(火)