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『サタデー・ナイト・ライブ』出身の3人が、劇中の楽曲の作詞作曲も手がけています。
邦題に“俺たち”と付けられたハリウッド映画は多々あれど、『俺たちニュースキャスター』『俺たちステップ・ブラザース-義兄弟-』のジャド・アパトーが手がけたコメディがやっぱり本家!? 『40歳の童貞男』などで知られるアパトーが製作した『俺たちポップスター』は、ミュージック・ドキュメンタリーをとことんいじりたおすコメディです。
幼なじみのコナー、オーエン、ローレンスが結成したヒップホップバンド「スタイルボーイズ」は大ブレイクを果たしたものの、フロントマンのコナーがソロデューしてあえなく解散。オーエンはコナーの専属DJに、ローレンスは音楽業界から退いて農場を経営していました。ソロでも人気を博したコナーのドキュメンタリー映画が撮影されることになりますが、セカンドアルバムが酷評の嵐にさらされてしまいます。「スタイルボーイズ」を演じるのは、『サタデー・ナイト・ライブ』でレギュラーをつとめていたコメディグループ「ザ・ロンリー・アイランド」のアンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファー(日本では3人が関わった映画『ホット・ロッド/めざせ!不死身のスタントマン』がDVDで観られます!)。
コナーは家電に曲がダウンロードされるプロモーション、社会派を気どった新曲発表など、あれやこれやと手を出すのですが、ことごとく失敗。その悪戦苦闘っぷりが、不謹慎な笑いとお下劣なネタの波状攻撃で描かれていきます。思わず二度見してしまうほど豪華なカメオ出演をチェックするのも、この作品のお楽しみのひとつ。エマ・ストーン、ファレル・ウィリアムスなどが次々と登場するのですが、なかでも、とんでもないトラブルに見舞われるプロポーズ・シーンに出演したシール、自分とは正反対のキャラで登場するマライア・キャリー、いろいろ心配になるシェフを演じたジャスティン・ティンバーレイクを見て、一気に好感度が上がりました。
アメリカのポップスやコメディが好きな人ほど細部に仕込まれた小ネタを発見できそうですが、誰もが某ジャスティン・ビーバーを思い起こすに違いない全身タトゥーでペットをかわいがるシーンや、ステージでの全裸ハプニングなど小学生レベルのネタも登場して、爆笑ポイントも全方位的にカバー。そして最後には男の友情にグッとくるという、うれしいおまけつき。涼しい映画館で椅子が揺れるほど思いっきり笑って、夏の疲れを吹き飛ばしてください!
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コナーを演じるアンディ・サムバーグ(中央)のパフォーマンスが笑いを巻き起こします。
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モキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)のスタイルで製作され、主人公が公開プロポーズするシーンも。
(c) 2016 UNIVERSAL STUDIOS
『俺たちポップスター』
原題/Popstar: Never Stop Never Stopping
監督:アキヴァ・シェイファー、ヨーマ・タコンヌ
出演:アンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファーほか
2016年 アメリカ 1時間26分
配給/パルコ
8月5日より新宿シネマカリテほかにて公開。
http://popstarmovie.jp