【年末年始に行きたい展覧会】 Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中! 「マリメッコ展」でフィンランド・スピリットを堪能しましょう。

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    ファブリック≪シィールトラプータルハ≫(市民菜園)、図案デザイン:マイヤ・ロウエカリ、2009年 Siirtolapuutarha pattern designed for Marimekko by Maija Louekari in 2009 大胆な植物の紋様が抑えめの色彩で、かわいくもクールな印象のデザインは、抽象絵画のようでもあります。

    フィンランド・デザインを代表し、世界で圧倒的な人気を誇るマリメッコの60年にわたる歴史をたどる展覧会がBunkamuraザ・ミュージアムで開催中です。

    フィンランド語で「マリーのドレス」という意味の「マリメッコ」は、1951年、アルミ・ラティアにより創業されました。
    テキスタイル・デザインを学んだ後、広告代理店で経験を積んだ彼女の元に才能あるデザイナーが集結、その優れたデザイン性と巧みな広報戦略によって、60年代に世界的なブランドへと成長します。そのブランド名の音の愛らしさとともに、素朴でやさしい意味にもしっくりとくる、飾らないながら大胆な図案と色彩で世界を魅了、日本でも北欧デザインブームの端緒となりました。

    ファブリックから始まり、その柄を活かしたシンプルだけれど絶妙なカッティングの服が人気を博し、いまではインテリアや家庭用品、小物に至るまで広く展開されているデザイン。その根源にあるのは、フィンランドの自然と伝統的なモチーフに支えられた、「人が生きる」ことの環境との共存と幸福の追求です。そのためにこそ、常に求められるのがクリエイティビティとオリジナリティでした。これは創業者のラティアが1979年に亡くなった後、何度か代表者が変わっても、大切に守り続けられている彼女の提唱したモットーとコンセプトです。

    だからこそ、大きくデフォルメされた花や植物、幾何学的なストライプや格子、有機的な抽象文様、そして目も覚めるような大胆な色合わせや渋いモノトーンの配色にいたるまで、その時どきのデザイナーの意匠がさまざまでありながら、どこか一貫したナチュラルさと主張を持ち、それぞれにワクワクした高揚感を与えてくれるのです。

    デザインの国、フィンランド・デザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点に、各デザイナーのスケッチや染色資料、ファブリックの制作ビデオで構成された、華やかだけれど、落ち着いたマリメッコのデザイン空間。

    フィンランドという大地にしっかりと足をつけながら、時代を超える独創的な感覚で、創造性と機能性を融合させたみごとな「フィンランド・スピリット」を感じてください。きっと会場を出るときには、幸せな気分になっているはず! (坂本 裕子)

    いまやマリメッコのトレードマークにもなった大人気デザイン「ウニッコ」(ケシの花)(左)を筆頭に、大胆なファブリック・デザインが壁いっぱいに迎えてくれる、迫力の会場入り口です。 展示風景から

    1969年からマリメッコはファッションの専門教育を受けたデザイナーたちを次々と採用、新たなステージに入ります。そこにはふたりの日本人デザイナーもいました。各デザイナーたちの個性あふれる、ファブリックとドレスたちの競演。プリントに合わせた縫製にも注目です。(写真は展示風景から)

    マリメッコ初の外国人デザイナーは日本人の脇阪克二。彼のデザイン画、ファブリック、ドレスは必見!もうひとりの日本人デザイナー石本藤雄は80年代を代表しました。現在ヘルシンキで陶芸を制作する、彼のデザインもシンプルさの中にある勢いが魅力的です。(写真は展示風景から)

    ジャクリーン・ケネディが購入したドレス ≪ヘイルヘルマ≫、1959年 ファブリック≪ナスティ≫(小さな無頭釘)、1957年 服飾・図案デザイン:ヴオッコ・ヌルメスニエミ Design Museum / Harry Kivilinna 1960年、アメリカ大統領選で勝利したケネディの妻、ジャクリーンが当時購入したワンピース。アメリカでの報道は、マリメッコにとって大きな宣伝効果となりました。

    ドレス≪カトリッリ≫ファブリック≪プケッティ≫(ブーケ)、服飾・図案デザイン:アンニカ・リマラ、1964年 Design Museum Archive / Photo: Seppo Saves 大胆な模様と着心地よさそうなシンプルなデザインは、自然でいながらお洒落。そのナチュラルなイメージがいまなお多くの女性たちを魅了しています。

    「マリメッコ展 ―デザイン、ファブリック、ライフスタイル」

    2016年12月17日(土)~2017年2月12日(日)
    開催場所:Bunkamura ザ・ミュージアム
    東京都渋谷区道玄坂2-24-1
    開館時間:10時~19時(12/31を除く金曜・土曜は21時まで) 入館は閉館30分前まで
    休館日: 2017年1月1日(日・祝)
    TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
    入館料:一般1,400円

    http://marimekko-exhibition.jp/