きりもなくスリムになりたい、出会いがない、男(女)運が悪い、親のせいで人生が狂った、つらい過去を断ち切れない、いつも孤独、なぜか性生活が嫌でたまらない、仕事を失った、ガンを宣告された、子供に先立たれた、生きる目的を失った、もう死んでしまいたい……そんな思いに駆られたら、ぜひ手に取ってみたい本が先ごろ発売されました。
著者は、アルコール依存症の父、心を病む母に育児放棄されるという幼少時代を送り、自身もアルコール依存症に悩んだ経験をもつ米国の作家オーガステン・バロウズで、死や病気をはじめ家族問題、依存症、恋愛、結婚、性格、体型、トラウマなど、あらゆる“人生の難題”をことごとく経験してきた人物(代表作は映画にもなった『ハサミを持って突っ走る』)。
さまざまな辛酸をなめた彼が、現代社会で高く評価されている価値観(ポジティブ思考、癒やし、幸せ志向)のうさん臭さを喝破し、歯に衣着せぬ物言いで現実を叩きつけてくるため、思わずはっとさせられることも。「アファメーションはウソっぱちである。鏡の前に立ち、自分の目を見ながら自分にウソをつくことは何の足しにもならない。それが真実だ。鏡に映った相手はいちばん裏切ってはいけない人間である」
耳ざわりのいい言葉を求めている人には不向きですが、そうでなければこの本があなたの「最後の自己啓発書」になるかもしれません。(Pen編集部)
『これが答えだ! 人生の難題をことごとく乗り越える方法』
オーガステン・バロウズ[著]
永井二菜[訳]
ISBN978-4-484-16113-6
定価:本体¥1,600(CCCメディアハウス刊)
http://books.cccmh.jp