個展『作曲的|compositions:rhythm』―蓮沼執太が、表参道スパイラルの空間を奏でます。

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    昨年5~6月、国際芸術センター青森・ACACにて、『作曲的|compositions:space, time and architecture』を行った蓮沼執太。その流れを汲む新たな個展、『作曲的|compositions:rhythm』が、表参道スパイラルガーデンにて開催されます。青森では、馬蹄形という安藤忠雄建築のユニークな展示棟と、その周りを囲む豊かな自然環境までを含めて"作曲する"というチャレンジングな試みで、なんとも新鮮な音楽体験を私たちに与えてくれました。

    そもそも蓮沼は、楽曲制作やライブ活動はもちろん、映画の劇伴、舞台音楽、ダンスとのコラボレーションなどさまざまな活動を行う音楽家で、「作曲」という手法をあらゆるメディアで応用し、サウンドのみならず映像や立体作品までを含むインスタレーションも展開してきました。一般的に想像される作曲家とは存在を異にし、あらゆる環境をコンポジションする変幻自在な音楽性は、常に私たちに新たな音楽の可能性を感じさせてくれます。

    今回の展示は青森の流れを汲みつつ、そこからさらに発展した新作を展開。「時間軸に人間が知覚する点を置き、それらを並列することでリズム=律動が発生するのであるならば、展示空間の中で鑑賞者が知覚する作品をインストールし、その並列からリズム=律動を作り出すことも可能でしょうか」と、蓮沼が言うように、今回の焦点は「リズム」。律動を時間軸から空間へ向けて展開していくという、彼の新たな挑戦です。

    今年2月に発売されたアルバム『メロディーズ』では、自らの声で珠玉のメロディーを奏で、私たちの日常を彩ってくれた蓮沼執太。蓮沼執太フィルで「ハーモニー」を、アルバム『メロディーズ』で「メロディー」を、そして今回の個展でいよいよ「リズム」へと。西洋音楽でいう音楽の3要素への、彼なりのアプローチが揃ったとも言えるでしょう。スパイラルガーデンという空間にどんなリズムが広がってゆくのか、自身の身体で確かめてみてください。(Pen編集部)

    以上すべて、
    Shuta Hasunuma Installation view of “compositions:space, time and architecture”at Aomori Contemporary Art Centre, 2015
    Photo by Kuniya Oyamada

    Shuta Hasunuma Composition:New Philharmonic, 2014
    Photo by Takehiro Goto

    Photo by Takehiro Goto

    『作曲的|compositions:rhythm』

    開催期間:9月27日(火)〜10月5日(水)
    開催場所:スパイラルガーデン東京都港区南青山5-6-23
    時間:11時〜20時
    入場無料
    TEL:03-3498-1171(代表)
    www.spiral.co.jp
    www.shutahasunuma.com

    ●イベント1:Dance × Music curated by Dance New Air 

    10月1日(土)14:30/17:30

    出演:入手杏奈、杉山恵里香、鈴木美奈子、森川弘和

    ●イベント2:EVENT and Artist Talk
    10月2日(日)
    14:30:蓮沼執太パフォーマンス
    17:30:蓮沼執太アーティストトーク ゲスト:松井茂(詩人、IAMAS准教授)