圧巻の本の彫刻! 飯田竜太の個展、『本棚のアーケオプテリス』は8月30日から。

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    Act stack 1 『積層の形1』 2013年

    幾重にも及ぶ書籍のページを一枚一枚、少しずつ少しずつずらしつつ、圧倒的な集中力で切り込みを入れていく。彫刻家・飯田竜太の制作工程は、想像するだけで途方もないエネルギーを感じさせます。グラフィックデザイナー田中義久とのアーティストユニット、Nethol(ネルホル)の活動をご存じの方も多いと思いますが、飯田竜太は練る・彫る の「彫る 」人。彼が彫刻を施した本には新たな断面が生まれ、通常とは異なる視点でその本を見ることになります。写真や文章などの情報を見る、といういつもの世界から離れ、私たちは本の新たな側面を体感することになるのです。

    今回の展示は「本棚」がテーマ。本を彫る のではなく、紙の原料である木材から本の形を彫り出します。彫り出されたものは本棚に並べられますが、そこには通常の本に含まれている情報は存在しません。文字情報から解放されたひとつの彫刻としての本棚が現れることになります。これまで、本の背表紙ではなく小口を本棚の前面になるように並べ、その行為自体を「彫る」こととして捉えたインスタレーションを発表してきましたが、今回はそこからさらに進化した内容になっています。

    「アーケオプテリス」は世界最古の木といわれ、はじめに太い幹を持った木と言われています。情報を伝達する紙は木から生まれ本になった――意思伝達のはじまりとも言える知の集合体である本棚を、今回また異なる視点で私たちは見ることになるでしょう。「情報のあり方と人の体感を、彫刻という手法を用いて明らかにしようと試みたのが今回の作品です」と飯田は言います。視覚以外のさまざまな感覚で、「アーケオプテリスの森」を体感してみてください。(Pen編集部)

    『歪曲の参稼』 2016年

    『Forest in the Bookshelf 』 2015年

    飯田竜太展『本棚のアーケオプテリス - Archaeopteris in The Bookshelf - 』

    開催日時:8月30日(火)~ 9月16日(金)
    開催場所:ガーディアン・ガーデン 東京都中央区銀座 7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル B1F
    時間:11時~19時
    休館日:日曜
    入場無料
    ※9月8日には作家によるワークショップ「本の中の文字だけで作品を作ろう」を開催。9月15日にはトークイベントも開催。詳しくはウェブサイトを参照ください。

    http://rcc.recruit.co.jp/gg