生誕80周年の記念すべき年に、赤塚不二夫とはどのような人物で、どのような作品を残し、どのような人たちに影響を与えたのかを、1冊まるごと特集したムックが完成しました。特集の中でグラフィックデザイナーの祖父江慎さんは、「バカに命を懸けた希有な存在」と赤塚不二夫を称賛し、「シェ―!」の声とともに決めポーズをとってくれました。美術家の会田誠さんは、「その先が崖であっても、突っ込んでいく潔さにあこがれる」と語り、ミュージシャンの甲本ヒロトさんは「リミッターが外れた感覚は、読まなきゃわからない」といいます。また、米文学者・翻訳家の柴田元幸さんは、「赤塚マンガを感じさせる、アメリカ文学」と題して、8つの文学作品と赤塚マンガをリンクし、作家の町田康さんは、『宇治拾遺物語』と赤塚作品の共通点を語ってくれました。
コラムニストの泉麻人さん、脚本家の大森美香さん、漫画家/コラムニストの渋谷直角さん、映像クリエイターのFROGMANさん、WAHAHA本舗主宰の喰始さんの5人がそれぞれ『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』『もーれつア太郎』『天才バカボン』『レッツラゴン』の読みどころをそれぞれ語ったお薦め作品ガイドも必見です。さらに、アニメ評論家の藤津亮太さんは歴代のアニメ作品を俯瞰し、ブレイクした『おそ松さん』の面白さを独自の視点で分析。藤田陽一監督のロングインタビューも敢行しました。
また、漫画家・イラストレーターの江口寿史さんとアニメーション監督の大地丙太郎さんが「ギャグ漫画家としての赤塚不二夫」を語り尽くした対談は読みごたえたっぷりです。赤塚不二夫の存在に刺激された7人のクリエイター(丸山誠司、最果タヒ、大原大次郎、山本さほ、カレー沢薫、米田渉&畠山祐二)が、イラスト、詩、デザイン、漫画、コラム、写真といったジャンルで制作したトリビュート作品も掲載しています。
さらに『天才バカボン』の名作として知られる「わしの天才がバカになったのだ」は、原画で一話完全収録。特別付録として、「おそ松くん」と「天才バカボン」の両面ポスターも付いています。このムックを読み終えたあとは、気になった赤塚作品を実際に手にとって、読んでみて下さい。(Pen+編集部)
Pen+「完全保存版 いまだから、赤塚不二夫」
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