普段、会議や打ち合わせ、電話でのやり取りなどの内容、要点はノートにメモしている方が多いと思います。ただ、そのメモを後日整理しようとした時、記憶があやふやになり、それを確認するためにまたノートをめくるなんて悪循環に陥ることもしばしばでしょう。
お馴染みの手帳を始めとする、マルチカテゴリーブランドとして確固たる地位を築いているモレスキンがリリースした「スマートライティングセット」は、そんなストレスを抱えている方にぜひ、お勧めしたいアイテムです。
セット内容は、モレスキンらしいブラックカバーのシンプルなノートとやや太めなペン。一見するといたって普通なのですが、ノートを開き紙を触ってみると一般的なモレスキンのものとは若干テクスチャーが違うことに気づきます。紙には無数のドットがグリッド上に配置されていて少しザラザラした手触り。ただ、使用している際に違和感を覚えることはありませんのでご安心を。
次にペンですが、先に述べた通りやや太めではあるものの、指先でホールドしやすい丸みを帯びた三角軸のボディは手に馴染みやすく、重みもさほど感じません。文字を書いてみると、ペン先はちょうどよい細さで書き心地も抜群です。とはいえここまでは、ユーザビリティの高い普通のノートとペン。しかしそれがスマートフォンアプリ(iPhoneの場合は「Moleskine Notes」、Androidの場合は「Neo Notes」)と繋がることで、大きく変わってしまうのです。
アナログとデジタルの調和が、シームレスに同期する。
まず、スマートフォン側のBluetooth設定をオンにしてアプリを起動させましょう。画面に疑似ノートが現れるので、次にペンの上部に仕込まれている銀色のボタンを3秒間長押しすると、その手前にあるライトが点灯しアプリとペンが接続されます。その状態でノートに何かを記していくと、なんと紙面の内容がそのままスマートフォンに表示されていくのです。
しかも表示はほぼリアルタイム。若干のタイムラグがあるくらいで、レスポンスは非常によく、スムーズに紙とスマートフォンの画面が同期していきます。それに加えて、ノートの違うページに書き出すと、アプリ内に自動で新規のページが立ち上がる点も驚きです。
つまり、「スマートライティングセット」のノートはPCのひとつのフォルダで、それぞれのページはそのフォルダに保存されている別々のファイルと考えればイメージしやすいかもしれません。
魅力はそれだけでなく、アプリ内でそのファイルを編集することもできるのです。必要な箇所をドラッグすると該当部分だけが選択され、色や太さを変えることが可能。書いたものひとつひとつの塊がデータ化されるため、不要なものを削除することもできます。
また文字の認識能力が優れているところもポイントで、書いた文字がテキストデータにも変換されます。手書きのメモが文字としてもデータ化されるとまとめる際も非常に役立ちますよね。読み取りの精度については、筆記体でもある程度、正しく書けていれば問題ありません! その他、書いた文字にマーカーを引いたり、各ファイルに対して音声データを残せたり、PDFや画像として保存できたりと至れり尽くせり。
全体を通して満足なツールであることは間違いありません。あえて言うならば、小さなスマートフォンの画面で手書き文字を編集するのは慣れが必要なので、ipadのようなタブレットで連携させるのがお薦めです。また、スマートペンの開発で有名なNeo Labによる付属のペンがやや無骨、というところが気になったくらいです。
とっさのメモだけでなく、手で書いたさまざまなことをスマートフォンで簡単に管理、整理できる「スマートライティングセット」。メモは筆記具、その他、管理はPCで、という人にぜひお試しいただきたい、新しいメモのスタイルが誕生です。(大隅祐輔)
モレスキン スマートライティングセット
¥28,188
問い合わせ先/エムディーエス
TEL:03-3256-0080
www.moleskine.co.jp