「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」をご存じですか？　知っているというあなたはかなりの絵本通！ これは毎年春にイタリアのボローニャで開催される世界最大級の規模を誇る絵本原画コンクールのこと。2016年は、世界63カ国から3,191点の応募があり、日本からの10人（組）を含む18カ国77人（組）が入選を果たしました。その全入選作品を紹介する日本巡回展「2016　イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」が今年も板橋区立美術館で開催されます。

絵本といえども「どうせ子ども向けでしょ」と侮るなかれ。子ども向けに描かれた絵本もあれば、大人に向けた絵本と実に多種多様。実験的な表現も積極的に受け入れていることから、新人イラストレーターの登竜門としても知られ、このフェアをきっかけに多くの絵本作家が世界デビューを果たしているのです。今年は開催50回を記念した特別展示「ボローニャ展50年の歩み」も同時開催し、世界の絵本にインパクトを与え続けてきたボローニャ展の歴史を振り返ります。会期中には、人気絵本作家を講師に迎えた講演会やワークショップなどのイベントも開催する予定。期間限定で手作りパンが自慢の「カフェ・ボローニャ」もオープンします。そして、本展の開催に連動して、都内各地のギャラリー・画廊でもボローニャ展入選経験者による展示も企画されています。

この夏は、最先端のイラストレーションに触れて、新しい絵本の世界への扉を開けてみませんか？（阿部博子）