朝鮮で生まれた民衆的工芸、ポシャギをご存知でしょうか? チマ・チョゴリなどをつくる際に出た布切れを組み合わせたもの、そう言ってしまえばそれまでですが、計算されたかのような幾何学模様は素朴ながら美しく、作品として鑑賞してもひとつひとつ異なる表情が楽しめます。そんなポシャギを集め、偶然生まれた模様を味わう展示会「朝鮮半島の民衆的工芸/POJAGI as a portrait -呉夏枝の写真作品とともに-」が栃木県の小山市立車屋美術館で開催されます。祖母、母、叔母のチマ・チョゴリを撮影した呉夏枝さんの写真シリーズも同時に展示。写真とポシャギと一緒に眺めると、小さな端切れ一枚一枚を大切にし、家族のためにと組み合せる作り手の姿が思い浮び、どの作品も母の知恵や愛情がつまったものとしてただのアートとは違った姿を見せてくれるのです。
また、併設展示として碓井ゆいさんの「shadow work」も開催。「金銭の支払いの対象にならない労働として、社会的にも経済的にも周縁化されていった、労働の痕跡」がテーマで、ポシャギの背景にある労働と、そこに労力を注いだ人に視点を向けています。母たちの手仕事の苦労、そこに込められた想いやりを身近に感じることで、お隣の国という垣根を超えて“人”が見えてくる、そんな経験ができるのではないでしょうか。 (Pen編集部)
「朝鮮半島の民衆的工芸/POJAGI as a portrait -呉夏枝の写真作品とともに-」
会期:4月16日(土)~6月19日(日)
会場:栃木県小山市立車屋美術館
栃木県小山市乙女3-10-34
開館時間:9時~17時(入館は閉館の30分前)
休館日:月曜日 4/22(金)、5/6(金)、27(金)
観覧料:一般400円(300円) 高校・大学生250円(150円) 中学生以下無料
※()内は20名以上の団体料金 TEL:0285-41-0968
ワークショップ 会場:小山市立博物館 小山市乙女1-31-7
タイトル:「端切れを使って作ってみよう」
端切れを帯状にし、どんどん結んで作るマットをつくります。
4月23日(土)13時~
講師:天笠恵子(服飾デザイナー)
定員:30名
タイトル:「家事を楽しくするグッズを作ろう」
ほうきや雑巾など家事をする道具の飾りをつくります。
5月15日(日)13時~
講師:碓井ゆい(アーティスト)
定員:30名
※ワークショップは申込が必要です。
(TEL:0285-41-0968 email:d-kurumaya@city.oyama.tochigi.jp)
※参加費 700円
ギャラリートーク 会場:小山市立車屋美術館
4月16日(土)/6月19日(日) 14時~
※ギャラリートークは予約不要です。