近代化が進むにつれ、西洋の技術が日本の建物にも活かされるようになり、日本の伝統的建築物の数は減少する一方。現在、日本の街に並ぶ建物の寿命は、最大で140年といわれています。しかし、日本伝統の木造建築は何百年、何千年もの間、生き永らえることができ、いまでも建てられた当時の姿のまま残されているものが多数残っているのをご存じですか?
どうしてそんな長寿命が実現できたのか――。それは、建築部材の変更、柱・梁のすげ替えといった修復が繰り返されてきた間で、技術と知識が後世にきちんと継承されてきたからにほかなりません。
そんな日本が世界に誇れる遺産である木造建築をカメラにおさめ続けてきた写真家、藤塚光政さんの個展が、東京・赤坂の富士フイルムフォトサロンにて開催中です。展示では、建物の特徴を端的に表現したり、全体像をダイナミックに写したものなど、建築をさまざまなアングルか捉えた、およそ60点もの写真たちが並びます。
藤塚さんは「この写真展を通じて日本の木造建築の美しさや知恵を知るとともに、遠い昔から続く木を循環させる思想に誇りをもって欲しい」と言います。本展覧会は、残すべき日本の伝統のすばらしさを再確認できる、そんな機会になるはずです。(大隅祐輔)
「日本木造遺産」千年の建築を旅する 撮影・藤塚光政
開催期間:~4月7日(木)まで
入場時間:10時~19時(最終日16時まで)
場所:フジフイルム スクエア内、富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1
東京都港区赤坂9-7-3
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