第88回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされた『思い出のマーニー』、アメリカのアニメーションアワードのアニー賞で、生涯功労賞に当たるウィンザー・マッケイ賞を受賞した高畑勲監督など、30周年だった2015年も話題に事欠かなかったスタジオジブリ。そのジブリの軌跡と『思い出のマーニー』で美術監督を務めた種田陽平氏のアートワークを一望できる2つの展覧会が、新潟県立近代美術館で「ジブリの大博覧会」として同時開催されます。

実写映画の美術監督として世界を舞台に活躍する種田氏は、『思い出のマーニー』で、初めてアニメーション美術を手がけました。『思い出のマーニー×種田陽平展」では、作品に登場する背景画や美術設定資料（未公開のものも含む）を公開するほか、物語の重要なシーンを精細で幻想的なジオラマで表現。アニメと実写が融合した、映画美術をさまざまな角度で堪能することができます。

また特別企画「ジブリの大博覧会展」では、30年に渡って生み出されてきたジブリ作品の歴史を、公開当時のポスターなどの広告宣伝物を中心に、制作資料、企画書など（同じく未公開のものも！）、膨大な資料で振り返ります。展示物が飾られた空間は、まるでジブリ映画資料のアーカイブ！　

スタジオジブリがいかにして歴史を刻み、『思い出のマーニー』がどのように創られたか。ジブリの夢の世界を体感できる、大人の映画ファンに必見の、貴重なイベント企画なのです。（幕田けいた）