「諷刺とユーモア」をコンセプトに掲げる伊丹市立美術館にて、コレクションの柱であるオノレ・ドーミエの諷刺画が公開されています。オノレ・ドーミエはフランスの画家兼風刺画家。公証人の使い走りをしながら、当時発明されたばかりの石板画(リトグラフ)を学び芸術の道に進みます。19世紀前半のジャーナリズムが盛んな時期、まだ識字率がそれほど高くなかった世の中で、彼の描く政治家や国王の描かれた挿絵はとても需要が高かったそう。
近代化とともに移りゆくパリを市井から見つめ、当時の生活をときに辛辣に、ときにコミカルに描いた作品は活き活きとして面白く、いま私たちが鑑賞しても十分に共感できます。特にそれぞれの絵につけられたタイトルは秀逸。作品ごとの背景をぜひ想像をしてみてください。
今回はそんなドーミエの魅力に再び迫るべく、独特のユーモアで現代を写す漫画家 しりあがり寿さんが、伊丹市立美術館のコレクションをもとに作品を制作。彼流の諷刺画は一体どんなものに仕上がっているのか、ドーミエと比較して鑑賞する楽しみも堪能できるでしょう。会期は3月6日まで。近くにご用の際はぜひお立ち寄りください。(Pen編集部)
ドーミエどーみる? しりあがり寿の場合
会期: ~3月6日(日)
会場:伊丹市立美術館 兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
開館時間:10時~18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
入場料:一般 ¥300/大高生 ¥200/小中生 ¥100
TEL:072-772-7447
http://artmuseum-itami.jp/