なにかと他人の評価を気にしがちな昨今にあって、自分を貫き、自由で凛とした生き方が話題を呼び、ベストセラーとなった『103歳になってわかったこと』(幻冬舎)。その著者である、現役最高齢アーティスト篠田桃紅の書の仕事に注目した展覧会が開催中です。
篠田桃紅は墨で描く抽象画という独自のスタイルで世界的な名声を得ますが、その原点は5歳で始めた書道にあります。1950年代は書家として活躍し、文字を書く仕事は大切な創作活動のひとつとして続けてきました。グラフィティのようでもあり、古代の象形文字でもあるような独特な文字。言葉の意味に自分の思いを重ねて表現した書がベースにあるからこそ、本の中の説得力のある言葉が生まれたのだと感じます。
書を教えた父のふるさとである岐阜にある関市立篠田桃紅美術空間では、三好達治や萩原朔太郎などの近代詩を題材にした作品や50年代に書家として発表した作品を紹介。同じ関市にある岐阜現代美術館では、本のタイトルやラベルの文字にフォーカスした展示を行っています。本を読んで彼女を知った人が作品世界に触れる絶好の機会となりそうです。(佐藤千紗)
桃紅のしごと 言の葉
開催期間:~3月27日(日)
開催時間:9時~16時30分
開催場所:関市立篠田桃紅美術空間
岐阜県関市若草通 3 丁目 1 番地 関市役所北庁舎 7 階
料:¥300
TEL:0575-22-3131(代表) 0575-23-7756(直通)
休:月、祝日の翌日(3月21日は開館)、2/12~15、26~29
http://www.city.seki.lg.jp/0000009047.html
桃紅のしごと 題字
開催期間:~3月25日(金)
開催時間:9時~16時30分
休:第2、4土曜日、日曜日、祝祭日
開催場所:岐阜現代美術館
岐阜県関市桃紅大地1番地
(鍋屋バイテック会社 関工園内)
無料
TEL:0575-23-1210
http://www.gi-co-ma.or.jp