巨大なドレスに、色とりどりの花々。 ファッション史は、華やかなアートです。

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    ≪クリノリンの幸不幸≫1858年 パリ 465×365㎜
    (第3章より)

    腰にたわわな布をまとった16世紀のロマンティックな貴婦人、細部に美しい装飾が施されたロココ時代のパリの女性。ファッション雑誌の起源とも呼べる18世紀末のファッション・ブックには、当時の流行、オーガンジーの美しい服をまとった女性のやわらかな微笑み――。

    日本の服飾史研究の第一人者であった故・石山彰氏のファッション・ブックやファッション・プレートのコレクションには、時代とともに次々と変化を遂げてきたファッションの遍歴が美しく描かれています。徐々に巨大化していくスカート、カラフルな異国の衣装、浮世絵の技法を用いて描かれた西洋版画はまるで芸術作品です。さらに、日本が洋装を取り入れた時代の華やかな綿絵も必見です。

    華やかなファッションから、暮らしぶりが浮かび上がる。

    シャルル・マルタン≪大きな鳥かご パキャンの風変わりな服装≫『ガゼット・デュ・ポン・トン』1913年2月 パリ 246×193㎜ 神戸ファッション美術館蔵

    ≪1月の紳士の装い 午前中の散歩の装い≫1829年 234×151㎜

    ファッションが花開き、描かれた300年の華やかな歴史は、約50着の実際の衣装とともに展示され、華麗なファッションを通じて当時の暮らしぶりまでも浮かび上がるようです。いつの時代も女性を夢中にしてきたファッション史、華やかで美しい世界へ出かけましょう。(須賀美季)

    『ファッション史の愉しみ —石山彰ブック・コレクションより―』

    開催期間:2月13日(土)~4月10日(日)

    開催場所:世田谷美術館
    東京都世田谷区砧公園1-2
    TEL: 03-5777-8600(フリーダイヤル)
    開館時間:午前10時~18時(入場は17時30分まで)

    休館日:月(祝日の場合は開館、翌日休館)
    観覧料:一般¥1,000、大高生¥800、中小生¥500

    www.setagayaartmuseum.or.jp