杉浦日向子が1980年代に発表した傑作漫画『百日紅(さるすべり)』が、アニメーション映画となって公開されます。天才絵師・葛飾北斎、その三女で絵師のお栄(葛飾応為)、お栄と同じく北斎に師事する善次郎を軸に、江戸に暮らす人々の日常を一話完結形式で描いた原作。映画ではお栄をメインに据え、淡々とカラリとしている一方で優しさも感じる空気感はそのままに、アニメーションならではの大胆な動きや色彩を加えています。
ストーリーはあるような、ないような。お栄が北斎と暮らす長屋で絵を描き、父や仲間と丁々発止のやりとりをし、離れて暮らす妹を訪ね、密かな楽しみである火事見物をする――そんな日々が淡々と描かれるのですが、なぜかぐいぐい引き込まれます。北斎の破天荒な生き様、物の怪がいまよりずっと身近であったこと、江戸の人々が大事にしていた“粋”。そんな事象がエピソードに織り込まれ、大昔の人々の暮らしを生き生きと再現しているからでしょう。こんな時代に生きてみたかった!なんて思わせてくれる、タイムスリップ体験はいかがでしょうか。(Pen編集部)
ストーリーはあるような、ないような。お栄が北斎と暮らす長屋で絵を描き、父や仲間と丁々発止のやりとりをし、離れて暮らす妹を訪ね、密かな楽しみである火事見物をする――そんな日々が淡々と描かれるのですが、なぜかぐいぐい引き込まれます。北斎の破天荒な生き様、物の怪がいまよりずっと身近であったこと、江戸の人々が大事にしていた“粋”。そんな事象がエピソードに織り込まれ、大昔の人々の暮らしを生き生きと再現しているからでしょう。こんな時代に生きてみたかった!なんて思わせてくれる、タイムスリップ体験はいかがでしょうか。(Pen編集部)
監督:原恵一
原作:杉浦日向子『百日紅』
声の出演:杏、松重豊、濱田岳、高良健吾
2014年 日本映画 1時間30分 配給:東京テアトル
5月9日より、TOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿ほかにて公開。
http://sarusuberi-movie.com