探検家であり、写真家の石川直樹さんが新たな作品集を発表しました。「SAKHALIN」と題されたこの作品は、ロシアのサハリンを舞台にした作品集です。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅してきた、石川さんらしい視点が盛り込まれています。

「ぼくがこの地にこだわるのは、青森や北海道の入り口にして、北方の世界を島の連なりとしてとらえ直してみたいという気持ちが強いからである。島は海に囲まれているからといって、人もモノもそこにとどまっているわけではない。特にサハリンは、歴史の波にもまれて多くの入り口と出口を持っている。そのことをもっと深く、身体で知りたいと思ったのだ。」（本文より）と語る。本作は、2009年の冬と2014年の夏、それぞれの季節で全く異なる表情を見せるサハリンで、石川さんがウイルタ、二ヴフといった先住民族の営みや文化に出会い、この土地に刻まれた歴史に触れる内容となっています。これまでさまざまなプロジェクトを通して独自の視座を開拓してきた石川さんが、現在のサハリンを通じて見た新しい世界の見地といえる作品となっています。

4月25日（土）には、現在ワタリウム美術館で開催されている「ここより北へ」石川直樹＋奈良美智展に合わせ、本写真集の刊行記念トークイベントを開催。また、6月5日（金）にはIMA PHOTOBOOKSの最新作として発行される本写真集のサイン会とトークイベントをIMA CONCEPT STOREでも開催します。石川さん独自の見地を作品とトークを合わせて、体感してみてはいかがでしょうか？（Pen編集部）