今年は、『ムーミン』の原作者トーベ・ヤンソンが生まれて100年目の記念すべき年。来年2月にはフィンランドで製作された新作アニメ映画の公開も控えています。今回、これまでに幾度も映像化されてきたムーミンのなかでも「幻の作品」と呼ばれる、1978～82年にポーランドで制作・放送されたパペット・アニメーション『劇場版　ムーミン谷の彗星　パペット・アニメーション』のDVD発売が決定しました！

制作陣が何度もトーベのもとを訪れ、トーベ自身もポーランドに赴いて制作・監修に深くかかわったと言われるこの作品は、ポーランドでの放送の後、ドイツ、イギリス、フィンランドでも放送され、高い評価と人気を得ました。2010年に再編集され、カンヌの映画マーケットでお披露目されましたが、その後日本で公開される機会がなく、ファンの間で「幻の作品」とされてきました。

原作はムーミンのストーリーのなかでも名作といわれる『ムーミン谷の彗星』。地球に彗星が落ちてくるとされる数日前のムーミン谷が舞台となっています。ムーミン・シリーズ2作目として1946年に出版された『ムーミン谷の彗星』はトーベが数度の戦争を体験するなかで生まれ、ムーミンとスナフキン、スノークのお嬢さん（日本のアニメでは「フローレン」または「ノンノン」）が初めて出会う作品です。

日本でのDVD発売にあたって、日本語吹き替え版も製作されましたが、声優にはムーミンに高山みなみ、ムーミンママに谷育子、ムーミンパパに大塚明夫など、アニメ『楽しいムーミン一家』のメインキャストが勢ぞろいしています。そして、主題歌は長年ムーミンのファンだったというアイスランドの歌姫、ビョークが担当。DVDにはミュージックビデオも収録されます。トーベ自身もとても愛していたというこの作品。DVDは通常版とオリジナルグラス2種のついた数量限定版の2種類を発売。2月以降には劇場公開も決定しています。今年のムーミン関連の展覧会も大盛況だったので、このムーミン・ブームに乗り遅れないでください。（Pen編集部）