いまや日本人の「国民食」といってもいい「ラーメン」。ですが、その器であるラーメンどんぶりの90％が、岐阜県南部の美濃で生産されていることを知っていたでしょうか？　美濃は中世以来、陶磁器の産地として日本最大の生産規模と優れた技術を保ってきました。美濃でつくられる陶器の中には織部焼、志野焼のように主に茶陶として珍重される器もありますが、多くの人が手にしたことがある「日常の器」としては、ラーメンどんぶりに勝るモノはないでしょう。

そこで12月27日から松屋銀座で開催される展覧会『美濃のラーメンどんぶり展』では、「グッドデザインの啓蒙」を目的にするデザイナーの団体、日本デザインコミッティーと美濃の焼き物研究会（事務局：多治見商工会議所）が協力し、25人の著名なグラフィックデザイナー、アートディレクター、アーティストらがグラフィックデザインを施した「ラーメンどんぶり」と「レンゲ」を展示します。横尾忠則さん、田名網敬一さん、佐藤卓さん、森田恭通さんらのビッグネームから、建築家の石上純也さんやミナぺルホネンのデザイナー皆川明さんなどいま注目の方々まで、そうそうたる面々が参加するこの企画、それぞれがどんなデザインのどんぶりをつくったのか、興味津々の展示となりそうです。（Pen編集部）