チープな雑貨に“キッチュ（安っぽいゆえに独特の存在感があるもの）”という価値を見出し、転写プリントを駆使してオリジナルアイテムを生み出してきた原宿の「文化屋雑貨店」。東京の“カワイイ”カルチャーに与えた影響は計り知れないものがあります。大人世代でも、若い頃に足繁く通っていたという人は多いのではないでしょうか。ロングライフデザインを掲げる生活用品のショップ「D&DEPARTMENT」ディレクターのナガオカケンメイさんもその一人。「文化屋雑貨店に大いに影響を受けた。まず、ひとつは『キッチュ』という感覚概念。『安っぽさ』を創意でひっくり返している」（D&DEPARTMENTホームページより引用）と語るほどの熱の入れようです。

その文化屋雑貨店が40周年を迎えたことを記念し、自由ヶ丘にある「D&DEPARTMENT TOKYO」で12月2日（火）までポップアップショップが開催されています。東京店１階のダイニングに隣接しているギャラリースペースに設けたもので、オリジナルTシャツや、ロゴ入りポーチ、アクセサリーなどを限定販売。お互いの頭文字「b」と「d」を組み合わせたユーモラスなグラフィックにも出会えます。

ちょうど同じタイミングで、文化屋雑貨店・店主の長谷川義太郎さんが著した書籍『キッチュなモノからすてがたきモノまで　文化屋雑貨店』も11月10日（月）に発売されます。一読してから限定ショップに出かけるのも、懐かしい思いを胸に原宿の本店に出かけるのも一興です。（高橋一史）