ヴィヴィアン・ウエストウッドによる、「ヴァージン アトランティック航空」の制服が大評判!

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    細身のパンツを組ませたシャープなシルエットのスーツ、胸ポケットにフラップがついたダブルブレストの貫禄あるコート。

    ファッションデザイナーの仕事とは、一部の人だけが購入できる贅沢品の服をつくるばかりではありません。実力のあるデザイナーは、映画、演劇、ダンス、音楽の衣裳をデザインして大衆の目を楽しませてくれます。さらに、パブリックスペースやイベント会場など多くの人が集まる場のユニフォームも手掛け、衣食住の「衣」がもたらす社会文化を創造することに貢献しているのです。
    このたび、先鋭的なチャレンジを行う会社として知られるイギリスの「ヴァージン アトランティック航空」が、設立30周年を記念して9月1日(月)から一新する制服のデザインを同国の伝説的女性デザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドに依頼しました。かつて「パンクの女王」と呼ばれた彼女は現在、イギリスの伝統的衣服に造詣が深いデザイナーとして活躍しています。
    今回の刷新で、キャビンクルー、パイロット、空港ラウンジ「クラブハウス」、「ヴァージン ホリディ」のスタッフを含む7500名以上の職員が、合計22種類の新ユニフォームを身につけます。そのテイストは、まさに大人がリラックスできる空間にふさわしいクラシックモダン。近頃の航空ユニフォーム界では、女性キャビンクルーのスカート丈が話題を呼んでいますが、ヴィヴィアンによるユニフォームは、真逆のベクトルともいえる優雅なラグジュアリーが追求されています。男性用には、英国伝統のサビル・ロウ・スタイルの3ピーススーツやコートが仕立てられ、精悍な印象に。さらに、服の素材として丈夫さや色持ちを実現させるため、ペットボトルをリサイクルしたポリエステル糸やナノ加工が駆使され、最先端のテクノロジーも導入されています。
    こんな美しいユニフォームを着こなしたスタッフにナビゲートされれば、客である私たちも優雅な気分になれることでしょう。そして、着るスタッフのモチベーションも上がり、仕事への意欲も増す結果になるに違いありません。9月からヴァージン アトランティック航空を利用する際には、ファッションデザインというジャンルの奥深さにも目を向けてみませんか?(高橋一史)

    ジャケットの襟下をグレーで切り返して、フェイクシャドウを表現したモダンデザイン。

    コートのたっぷりとした布のドレープは、まさにヨーロピアン・エレガンスな美しさ!

    女性用スーツのジャケットは、40年代「ニュールック」に通じるウエストを絞ったシルエットと胸のタックが特徴的な、ヴィヴィアン・ウエストウッドのアイコンジャケット「ベッティーナ」にインスパイアされた。ボタンダウンシャツのような立ち襟も素敵。