今年60才を迎えた、日本が誇る「名作椅子」の展示会を開催中。

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    今年60才を迎えた、日本の椅子があります。
    サイドチェアS-0507NA-STと名付けられたこの小椅子をデザインしたのは、前川國男建築設計事務所の家具デザイン担当者だった水之江忠臣氏。1954年、前川國男が設計を担当した神奈川県立図書館の閲覧室用にデザインしたものです。この椅子の生誕60周年を記念した展示会『60才の椅子 水之江忠臣のロングライフデザイン』が、自由が丘のD&DEPARTMENT TOKYOで8月31日(日)まで開催中です。
    成形合板でつくられ、ゆるやかにカーブを描く座面と背面に、ブナの無垢材で構成されたサイドフレーム。山形の天童木工で、100回以上の試作を経てできあがった形です。神奈川県立図書館で使われるようになった後、天童木工がこの椅子を一般に販売するようになり、長い間愛され続けてきました。いまでは「日本の名作椅子」として不動の地位を築いています。
    展示では前川國男建築設計事務所で実際に使われていた椅子を始め、過去に製造されたデザインが異なる5脚の小イスを用意。水之江忠臣が実際に使っていたノートや貴重なデザインスケッチ、イスに使われているパーツの構造見本、3つのサイズの水之江ダイニングテーブルを見ることができます。寡作だった名デザイナーの長く愛される小椅子と、ロングライフデザインに触れてください。(Pen編集部)

    上写真:展示された水之江忠臣氏デザインの小椅子。素朴さがロングライフデザインの秘密か。

    『60才の椅子 水之江忠臣のロングライフデザイン』
    ~8月31日(日)

    D&DEPARTMENT TOKYO
    東京都世田谷区奥沢8-3-2
    TEL:03-5752-0120
    開館時間:12時~20時(日~火、木~土)
    休:水
    入場無料
    www.d-department.com
    www.tendo-mokko.co.jp