まるでピアノの鍵盤のような階段。
これは、フォルクスワーゲンが行なった「ファンセオリー(The Fun Theory)」という活動の一例で、鍵盤の上を歩くと、ちゃんと音が出る仕掛けになっています。これによって人々は、「健康のため」と思って階段を使うのではなく、「楽しいから」エスカレーターを使わずに階段を上るようになります。そして、それは当然、健康のためになるのです。
他にも、スロットマシンのような空き瓶回収ボックスや、制限速度を守ったドライバーに賞金が出る宝くじなど、「楽しさ」によって人々の行動を変えようとする取り組みは「ゲーミフィケーション(gamification)」と呼ばれます。アメリカでは国家プログラムとして、健康用ゲームの開発が進められています。
本書は、世界でもっとも古く、つねに高い評価を受けているビジネススクール、米ペンシルベニア大学ウォートン・スクールに設けられた世界初のゲーミフィケーション・コースをもとに、基本概念から実装のためのフレームワーク、テクニックまでを解説した実用的ガイドブック。
あらゆるシーンでの応用が期待されるゲーミフィケーションをおさえておくために必読の一冊です。(Pen編集部)
『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』
ケビン・ワーバック/ダン・ハンター 著
三ツ松 新 監訳
渡部典子 訳
定価:本体1600円+税
http://books.hankyu-com.co.jp/list/detail/1342/