このような展覧会が日本で実現するとは思ってもみませんでした!
ターナーといえば、イギリスが至宝とする風景画の巨匠。そのターナーの秀逸なコレクションを誇るテート美術館の所蔵作品で構成された大規模な展覧会が、上野の東京都美術館で開催中です。
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775~1851年)は、長い画業を通して風景画に取り組み、イギリス絵画の地位を飛躍的に高めたと言われています。それは彼の革新性、特に「大気」や「光」といった、形のないものを見事に描き出したからです。
単なる景色ではなく、荒れた海の不穏な空気感や、陽光のもとの穏やかな時の流れが、彼の絵の中にはあります。
後の印象派に影響を与えたとも指摘されていますが、美術史の流れの中での位置付けを超えて、ターナーの作品が18~19世紀の絵画とは思えぬずば抜けた先鋭性を秘めていることにただ驚くばかりです。
繊細な色づかいはもちろん、どのように筆を使ったのか不思議でならない、煙るようなタッチ。じわじわとくるターナーの風景画を、実際に眼で見て、じっくりと味わってください。(Pen編集部)
『ターナー展』
会期:10月8日(火)~12月18日(水)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開室時間:9時30分~17時30分(金曜および11/2、11/3は20時まで。入室はいずれも閉室30分前まで)
休館日:月(12/16は開室)
入場料:一般¥1,600
www.turner2013-14.jp