地域開発の新たな目玉は、誰でも無料で利用できる約3100㎡のスケートパーク!

  • 文:ユイキヨミ
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AMSTERDAMアムステルダム

地域開発の新たな目玉は、誰でも無料で利用できる約3100㎡のスケートパーク!

文:ユイキヨミ

大小4万個のデルフト焼きのタイルで装飾された、美しいコンクリートウェーブ。かつて工業地帯だったエリアにある同パークの地下には、使用されなくなった古い下水処理設備の一部が残されたままに。宅地にすることができない土地の有効活用も兼ねている。photos: Kiyomi Yui

この夏、アムステルダム市内東部の新開発地域ゼーブルガーアイランドに、オランダ最大となる約3100㎡のスケートパークが完成した。難易度の高いボウルセクションや緩やかなウェーブをバランスよく配置した、フルコンクリートの公共パークだ。スケートボード、ローラースケート、あるいはBMXを所有していれば、子どもから大人まで、そして初心者からプロまで誰でも無料で利用できる。

設計を手がけたのは、スケートパークに特化したデンマークの建築事務所Glifberg+Lykke。国際選手権の開催も可能と言われる、本格的なデザインである。コロナ禍で大々的なオープニングイベントは見送りとなったものの、完成の噂は瞬く間に隣国まで広がり、近所の子ども達に混ざって多くの国内外のプロ級スケーターたちも滑りに来ているらしい。 

「スポルトヘルデンビュールト」(スポーツの英雄地区)と名付けられたこの地区は、これまで「特徴がなく殺風景」とも言われていたが、パークの登場で一気に活気づきイメージもアップ。今後、さらに新しいアーバンスポーツ施設の建設が予定されている。街中のスポーツ好きを結ぶコミュニティ形成にも、大きく貢献していきそうだ。

オランダ最大、そしてヨーロッパでも有数と言われる本格スケートパーク。住宅に囲まれているため、常に人の目があり安全という側面もある。同パークは、世界から遅れをとっていたオランダのスケート事情を挽回すると同時に、市民が無料で楽しめる公共のパークを!と、スケートボード団体の主宰者が長年アムステルダム市と掛け合った末に実現した。