子どもの頃から愛用し、絵本の中でもかけていた赤いフレームの眼鏡

  • 文:小暮昌弘(LOST & FOUND)
  • 写真:宇田川 淳
  • スタイリング:井藤成一
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子どもの頃から愛用し、絵本の中でもかけていた赤いフレームの眼鏡

文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一

モデル名は「レムトッシュ」。モスコットを代表するモデルで、丸みを浴びたウェリントンフレーム。これも「ruby」というフレームカラーで、クラシックなデザインにモダンな印象を与えてくれる。¥34,100(税込)/モスコット

キース・ヘリングは、1958年の5月4日にアメリカ東部ペンシルベニア州のレディングという街で生まれた。物心ついたころから絵を描くのが好きで、鉛筆と紙がいくらあっても足らないほどだった。壁以外のありとあらゆるものに絵を描いていたという。RIZZOLI社が制作した書籍『KEITH HARING』には8歳の彼と家族のポートレイト写真が載っているが、そのときにはすでに眼鏡をかけていた。

実の妹ケイ・A・ヘリングが文章を書き、ロバート・ニューベッカーが絵を担当した絵本『キース・ヘリング ぼくのアートはとまらない!』(評論社)では、生まれたとき以外のどの絵でもキースは眼鏡をかけている。しかもニューベッカーは彼の眼鏡を赤色で描いている。大人になってからはさまざまなカラー、デザインの眼鏡を愛用したキースだが、写真を集めてみると赤色の眼鏡をかけたカットは意外にも少ない。赤色は赤茶のフレームを指すのであろうか、それとも本当に赤色だったのだろうか。あるいは眼鏡を強調する意味でニューベッカーは赤色に塗ったのであろうか。

彼が活躍したニューヨークの老舗眼鏡ブランド、モスコットの代表作で、絵本の中で彼がかけていたものに近いイメージのセルフレームがある。代表作の「レムトッシュ」で、バディ・ホリーやジョニー・デップにも愛用された名品中の名品だ。「ruby」と名付けられたフレームカラーが、絵のイメージに近いのではないだろうか。かければアーティスト風に装える1本だ。

眼鏡の両端に入った「カシメ鋲」の形状が、「レムトッシュ」の目印。ビンテージ風の味わいを演出する。

ニューヨークで100年以上、4世代に渡って引き継がれてきた老舗アイウェアブランド。作家、芸術家からも愛されてきたアーカイブモデルを現代にアップデートさせたモデルを揃える。

セルフレーム以外にもキース・ヘリングがよくかけていたのは、セル巻きタイプの眼鏡。これはモスコットの「ゼヴ」。フレームカラーはこれも「ruby」で、よりビンテージの香りが強調された眼鏡だ。¥35,200(税込)/モスコット

問い合わせ先/モスコット トウキョウ TEL. 03-6434-1070

https://moscot.com/