買うのは家具か服か、そのどちらも!? アクタス×ヘリーハンセンの北欧コラボには未来の生活がある。
ステイホーム生活を経験して、世界的にファッションのマインドがすっかり様変わりしている。トレンド予測では、今年は大人のフォーマルな装いにムードが傾き、エレガントな服の人気が復活するはずだった。ところが外出機会が激減し、「おうちスタイル」なる言葉が生まれるほど生活範囲が狭くなると、流行の服装より自分らしくいられる服装を好む人が増えたようだ。
私的な例を挙げると、家でも外でも “快適さ” を最上位に置くようになった。それは単に機能的な服という意味ではなく。長い自粛生活の間に、 快適さとは心が高揚する “好きな服” のケースもあることに改めて気づいた。最近は家の中で革サンダルを履いたり、部屋着としてパリッとしたシャツに袖を通すといった、合理的でない服の着方を愉しんでいる。好きなものに囲まれて過ごす喜びは、家具や器などのように自分と家族だけが味わうアイテムを愛する人こそ、より深く身に沁みていることだろう。
こうした住環境も気になるいま、衣食住の「衣と住が融合した服はないものか」と考えていたとき目に留まったのが、インテリアショップ「アクタス」とアウトドアスポーツブランド「ヘリーハンセン」とがコラボした「ランドノーム(LandNorm)」だ。輸入家具店の先駆けとして北欧家具を日本に広めた立役者であるアクタスと、ノルウェー生まれのヘリーハンセンによる北欧つながりのコレクションである。今年3月に登場し、アイテムはヘリーハンセンらしい防水コートから、Tシャツ、パンツまでのトータル展開。デッキチェアやバケツといった家具もあり、室内外を問わず使えるようデザインされている。
ここで最初に紹介するのは、配色の美しさに目を奪われるレインコート(上写真2点)。フロントがブルーの濃淡、バックが2色(袖を含めると3色)のカラーブロックだ。シルエットはたっぷりとした旬のもので、どんな服も重ね着できるサイジングである。フードが立て襟の裏に収納され、カジュアルすぎず幅広い着方ができる。デイリーに愛用し、雨が降ってきたらレインコートに姿を変えられる自由度の高さが嬉しい。防水性の高い生地が使われ、パーツの縫い目も裏面でシーム加工されている。強い雨でも水濡れの心配はないはずだ。フロントを軽く留められるスナップ、フック、面ファスナー類はついていないので、裾までの長いファスナーをしっかり留めてから悪天候の中を外出するのが正しい着方だ。
ランドノームでは旬のオーバーサイズなポケットTシャツもラインアップされている。肩が落ち袖が長く身幅もゆったり。単なる大きなサイズのTシャツと明確に異なるのはネックのバランス。首周りはコンパクトに詰まっており、だらしなく見えない。素材は化繊混紡のコットンで、抗菌防臭効果のある加工も施された。化繊により洗濯後の乾きも早い、デイリーユースにぴったりの一着だ。
腰回りをガードするエプロンは、毎日の料理や屋外のホビーワークでの必需品として近年では男性にも人気が高いアイテムだ。ランドノームのエプロンは汚れから服を守るだけでなく、防水性の機能も加えられている。縫い目もカバーされた本格仕様で、突然の雨降りのときに頭上に広げれば傘代わりにも使える。ガーデニングや洗車のように水濡れが多いシーンで大いに役立つ逸品だ。
アクタスはデンマークのソファブランドのアイラーセン、イタリアの木工ブランドのポラダといったエクスクルーシブブランドも多数抱える、1969年に創業されたヨーロッパインテリアの草分け的なショップ。ライフスタイルショップとして日用雑貨の展開も多く、客層も幅広い。1、2階の2フロアがあるアクタス新宿店は、旗艦店としてシステムキッチンや住宅リノベーション事業も展開。カジュアルな1階とラグジュアリーな2階とのコントラストも見どころだ。
ランドノームの常設店舗は、みなとみらい店、幕張店、仙台店、六甲店、福岡店。ほかヘリーハンセンの店舗でも販売されている。アクタス新宿店では10月に再度ポップアップショップを開催予定。ECサイト「アクタスオンライン」でも購入可能だ。同ブランドのバスケットや食器といった雑貨もラインアップされている。コロナ後にあるべきファッションの姿を示すひとつの手本になる、ファッションとインテリアの世界観が統合されたコレクションだ。