「クラシックは不滅」と語る紳士に欠かせない、『マイ・インターン』のパジャマ
文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一【ロバート・デ・ニーロ編】
第1回 夜のニューヨークを駆け抜けた、『タクシードライバー』のタンカースジャケット
第2回 寂寥感あふれる鹿撃ちのシーンを印象付けた、『ディアハンター』のマウンテンパーカ
ロバート・デ・ニーロは年を重ねたいまでも最前線で活躍し、その魅力をさらに増している。それを証明した作品のひとつがアン・ハサウェイと共演し大ヒットとなった『マイ・インターン』(2015年)だ。彼がこの作品で演じたのは、通販専門のファッションブランドにシニア・インターンとして雇われた老人ベン・ウィテカー。ベンのスタイルはカジュアル一辺倒の社内にあってかなり異質だ。ボタンダウンシャツにナチュラルショルダーのスーツ。いつもネクタイを締める王道のトラッドスタイル。愛用する1973年製のアタッシェケースを褒められると「クラシックは不滅」と話す。「ハンカチは何のために必要か?」を尋ねる同僚に対しては「ハンカチは必需品。知らないのは罪。ハンカチは女性が泣いたときに貸すためにある。紳士の嗜み」と説く。
そんな紳士ベンが寝るときに着ているのがトラディショナルなパジャマだ。しかも無地からストライプまで、さまざまな生地のパジャマを着ている。出張先にも、自前のパジャマどころかローブまで持参するほどで、彼のワードローブはトラッドそのものだ。
この映画でデ・ニーロに衣装を提供したのが、200年を超える歴史をもつ老舗ブルックス ブラザーズだ。ベンが映画で愛用したのも同ブランドの製品と見て間違いないだろう。ブルックス ブラザーズは、ニューヨークでメンズショップとしてスタートした老舗らしく、紳士に欠かせない良質なパジャマがいつでも用意されている。オックスフォードからブロード素材まで、高品質なコットンを中心とした品揃えで、デザインも普遍的なものばかり。着るだけでトラッド気分が満喫できる。ベンのように「クラシックは不滅だ」と呟きたくなるのではないだろうか。
ブルックス ブラザーズ ジャパン TEL:0120-185-718