BEIJING北京
市民の外出時の新習慣、「北京健康宝」というアプリ【コロナと闘う世界の都市から】
感染ピークが過ぎた2020年4月24日現在の北京では、社会生活の再開が最重要テーマだ。北京市の常住人口は19年末時点で、約2154万人。うち約3割強を地方出身者が占め、移動禁止策により旧正月の里帰り後も地方に留まっていた人々がいま、大量に北京に戻り始めている。
その移動を再開しながら感染を防ぐ、という難題の解決策のひとつが、3月1日に北京市政府がリリースしたアプリ「北京健康宝」(英語名『Health Kit』)だ。氏名と身分証番号(外国人はパスポートナンバー)と顔写真を入力すると、ビックデータに残る本人の移動記録に基づき、「赤」(集中隔離対象者)、「黄」(自宅隔離対象者)、「緑」(異常なし)の文字表示が出る。地方から北京に入ってきた人は、どこから移動してきたかによって要求される14日間(21日間の場合も)の隔離やPCR検査を終えれば「緑」になる。ずっと北京にいた人は、基本的には「緑」だ。
私も「緑」のはずなのだが、初回、入力して「緑」が出るまでは、ちょっとドキドキした。いまはオフィスビルやレストラン、観光地に入るにもこの「北京健康宝」の提示が必要な場所が多く、毎朝、出かける前に入力して「緑、よーし」と表示されるのを確かめるのが新習慣になっている。