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コインポケットの新しい使い方を、ジョブズはリーバイス 501®で示してみせた。
文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/statics.pen-online.jp/image/upload/news/otona21-3/otona21-3_I2B0WWY.jpg)
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パッチのデザイン、ボタンフライなど501®︎のディテールを引き継ぎながら、シルエットは現代の501®︎に比べ、腰や腿回りにややゆとりがある。素材はコットン99%にエラスタン1%を加え、ストレッチ性を備えているので、穿きやすさが向上した。¥13,200(税込)/リーバイス®︎(リーバイ・ストラウスジャパン)
2005年9月、報道陣向けに行われたAppleの発表会で、「大胆な発表をしよう」と壇上に現れたスティーブ・ジョブズ。iTunesの現状を紹介した後、愛用の「リーバイス 501®︎」の小さなコインポケットを指さして、そこから当時最小だった「iPod nano」を取り出し「あれ、こんなところにあったよ」と、そのサイズの小ささを強調した。
iPodは、「ポケットに1000曲」をキャッチフレーズに登場したデジタルオーティオプレーヤー。iPod nanoはそれまでの機器に比べサイズを五分の一に縮小させたモデルで、それをジーンズの小さなポケットを使って表現したという見事な演出だ。誰もがジーンズのコインポケットの新しい使い方を知った瞬間に違いない。
当時の様子を改めて見ると、この発表会でジョブズはやや濃いインディゴの501®︎を愛用していたが、多くの人の印象に残るジョブズが愛用した501®︎は、全体にウォッシュをかけた薄いインディゴの501®︎だろう。
彼が穿いていた501®︎に近いモデルは、現在でも販売されている。1993年のモデルにストーンウォッシュをかけたジーンズがそれだ。実はかつて501®︎は、アメリカ版とヨーロッパ版とがあり、それぞれスタイルが微妙に違っていた。このふたつのスタイルを融合させた世界統一企画の501®︎が生まれたのが、93年。その後、2004年モデルが登場するまで、1993年モデルが世界中で販売された。
現代の501®︎に比べて腰や腿回りにゆとりがあり、足元まですとんと落ちるストレートフィット。現在発売されている93年モデルは、ストレッチデニムを採用し、さらに進化したモデルで穿き心地もいい。ジョブスがつくったアップル製品同様に、本物は常に進化を続けるということだろう。
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「アキュエットステッチ」と「ビッグE」の赤タグが付いたポケットに、2頭の馬が描かれたパッチ。ここに「501®︎ ‘93」のモデル名がプリントされている。
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フロントの仕様はジッパーではなく、ボタンフライ。これも501®︎の代表的なディテールのひとつだ。
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ジーンズを裏返すと、ポケットにもモデル名とギャランティーチケットがプリントされている。
リーバイ・ストラウスジャパン TEL:0120-099-501
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