日常で着ている服装を「洒落てる」「趣味がいい」と褒められたら、誰でも気分が高揚するものです。派手に目立つ服でなかったときはなおさら、その服を選び着こなした自身のセンスを誇らしく感じるでしょう。

今回お届けする「ロエフ」は、そんな “自分定番” を探せる新ブランド。「ユナイテッド アローズ」のレーベルです。型数も展開店舗もまだ限られますが、人気を得て広がりそうなポテンシャルを秘めています。2019-20年秋冬シーズンにウィメンズがデビューし、20年春夏にメンズが加わりました。

“ベーシック” という言葉の境界線を押し広げる、旬のワードローブです。マスキュリンな（男性的な）ウィメンズのコレクションと呼応する男性像が思い描かれています。素材もディテールも、服好きを満足させる仕上がり。日本人男性に似合う和の雰囲気が漂うのも現代的です。上写真の雪駄は、京都の「衿秀」に別注したもの。竹皮を編んだ畳表で、底が本革の高級品です。今季の男性用フットウエアが雪駄だけという点に、同ブランドの世界観がよく表れています。

実はロエフのデザイナーは女性で、メンズは「こんな服装の男性が魅力的」という発想の品揃え。清潔感がありつつ男っぽい服は確かに、着て褒められる “モテ服” のようです。

和服のような前合わせの半袖シャツジャケットを、同素材のショートパンツと組ませたセットアップコーデ。綿ナイロンの軽い素材で暑い季節も着やすいでしょう。足元が雪駄なら和風に、スニーカーならストリート系に、イメージの変化も自在。今季注目のエスパドリーユでリゾート着にするのも良さそうです。

シャツジャケット ¥36,300（税込）、中に着たTシャツ ¥14,300（税込）、パンツ ¥29,700（税込）、雪駄 ¥55,000（税込）／すべてロエフ（ユナイテッドアローズ 原宿本店 TEL：03-3479-8180）

フライトジャケットをアレンジしたアウターの素材は、ハリのある高密度コットン。スモーキーな中間色が春の装いに軽快感を運びます。同じく高密度な素材のチノパンは、ウエストにタック入りのワイドストレートな形。上下共にゆったりと身につけて、布が動くドレープを愉しみましょう。

ジャケット ¥74,800（税込）、中に着たスウェットシャツ ¥29,700（税込）、パンツ ¥31,900（税込）／すべてロエフ（ユナイテッドアローズ 原宿本店 TEL：03-3479-8180）

単品で購入しても、手持ちの服に馴染む着回し力があるロエフ。さらにメンズデビューにあたり、ウィメンズと同じく袖が丸く膨らんだ長袖Tシャツやワンピースふうのロングシャツがラインアップに加わっていたら、より次世代的になったかもしれません。女性デザイナーが手がけるブランドだからこそ、今後の展開にあたり勝手ながら、「“男っぽい” ジェンダーレス」も期待します！

https://loeff.jp/